観戦記2008
第6回 雨降って
DATE May 25th(Sun)
PLACE KOMAZAWA OLYMPIC STADIUM
SCORE
  1Q 2Q 3Q 4Q
PANTHERS 3 14 0 12 29
BIG BEARS 0 0 3 0 3
1Q 6:44 #8石川Field Goal 23yds
2Q 5:20 #44浅尾Run 1yd TFP#8石川Kick
8:00 #86水澤Punt Return 75yds TFP#8石川Kick
3Q 7:15 Field Goal 28yds
4Q 0:10 SAFETY
  3:16 #8石川Field Goal 32yds
  11:16 #17松田(竜)Pass→#80呉田 3yds TFP#14北川(裕)Kick
STATS
  PANTHERS BIG BEARS
Touch Down 3 0
1st Down(ラン-パス-反則) 16(6-9-1) 10(6-3-1)
P-A-T 1point 3/3 0/0
2point 0/0 0/0
総獲得yds 211 120
攻撃回数 63 55
平均yds 3.3 2.2
パス 獲得yds 133 77
成功/回数 15/24 14/32
成功率 60.0% 43.7%
被インターセプト 0 1
ラン 獲得yds 78 43
回数 39 23
平均yds 2.0 1.87
FG 成功/回数 2/2 1/1
反則 回数 1 7
喪失yds 10 50
ファンブル 3-2 1-1
3rd Down Comversions 9/16 3/13
4th Down Comversions 0/1 2/3
記録は筆者によるものです。
公式記録とは異なりますのでご了承下さい。
 
この試合の観戦記
この春唯一の関東遠征となった早稲田大学戦。
午前中まで降り続いた雨も止み、曇り空の下での試合となった。
 
-初登場-
立命のキックオフ、早稲田は一回生RET#12坂梨がリターンし自陣21ydsからのオフェンス。
QBは二回生になった#5芳賀。
1 and 10のパスは失敗。続いてランプレーをLB#1岸本がロスタックル!
さらに3rd ダウンはDLのラッシュが良く、投げ捨てに追い込みスリーアンドアウト。
立命は自陣39ydsからのファーストシリーズとなる。
QBとして登場してきたのは三島高校出身の二回生#17松田(竜)
大学の試合では初登場となったQB#17松田(竜)のプレーに注目が集まる。
まずはTB#33山本のランで3yds、TE#5森、WR#3尾崎にパスをヒットしてダウン更新する。
TB#44浅尾、#33山本のランがそれぞれ1ydのゲインとなるが、
ショットガンから#17松田(竜)がスクランブルで7yds
さらにそのプレーで早稲田にフェイスマスクの反則があり、再びダウン更新。
敵陣26ydsまで進むと、FB#38姉川へのパスで7yds
#33山本のランが7ydsとなりで3度目のダウン更新をする。
しかし、この後が続かず、3 and 13から#17松田(竜)がキープで進むもフレッシュ獲得ならず。
ここはK#8石川が23ydsのFGを決めて3-0と先制する
 
-相変わらずの鉄壁守備-
返しの早稲田の攻撃は立命D#陣の守りが厚くスリーアンドアウト。
立命2回目のシリーズとなるが、
QB#17松田(竜)から#80呉田へのパスはショートし失敗。
#33山本のランも1yd、3 and 9のWR#3尾崎へのパスはWRが滑ってしまい不成功。
立命のオフェンスもスリーアンドアウト。
早稲田RET#12坂梨がパントをキャッチした直後に#4町が強烈なタックルを決め
全くリターンさせず。そこから早稲田のオフェンスは1度のフレッシュがあるものの、
DT#90久司やDE#57武知の激しいパスラッシュもあり、パントへ。
RET#80呉田がフェアキャッチして自陣43ydsからのオフェンスとなる。
立命3度目のオフェンスシリーズとなるが、ここで立命OLの弱さが露呈する。
1 and 10でQB#17松田(竜)がサックされ13ydsもロスすると、
3 and 20でも再びQBサック被弾しファンブル。なんとかリカバーするものの、
このシリーズ、大きく下がりスリーアンドアウトに追い込まれてしまう。
直後の早稲田の1 and 10、QB#5芳賀が#30末吉にピッチするものの、
立命D#の強烈なタックルが決まりファンブルフォース!
それをLB#52海島(希)がリカバーしターンオーバー!
敵陣からの攻撃権を得る。
 
-ここは一本-
敵陣35ydsからのオフェンス。1 and 10は#33山本のランがロスになってしまうが、
早稲田の反則で罰退後、ショットガンから#33山本へのスクリーンが決まり12ydsのゲイン
レッドゾーンに入り、#33山本・#44浅尾のランを続けると
3 and 7では再びショットガンからQB#17松田(竜)がスクランブルして10yds
これで2度目のダウン更新をすると、最後は#44浅尾が1ydをダイブしてTD
TFPもK#8石川が決めて10-0。相手のミスをきっちりと得点に繋げる。
 
-期待の一回生-
返しの早稲田のオフェンス。
早稲田期待の一回生RB#30末吉のラン、QB#5芳賀のスクランブルでダウン更新を許すが、
その後は3プレー連続で#30末吉。
ランはロスタックル、パスも6ydsとノーゲインに抑えてパントへ。
早稲田のパントをRETに入った一回生#86水澤がキャッチ。
左サイドを駆け上がると、前のブロックも良くそのままエンドゾーンへ!

立命の期待の一回生がパントリターンTDを決めて17-0と突き放す。
 
-不満-
この後の早稲田のオフェンスはスリーアンドアウト。
立命は自陣39ydsからのオフェンス。ここはパスのシリーズと決めていたようだったが...
立命OLのパスプロが全く持たず、QB#17松田(竜)も投げ捨てることができずに
まさかの3プレー連続でのQBサック。
大きくロスしてスリーアンドアウトになってしまう。
前半残り1分3秒から早稲田のオフェンスとなるが、
2 and 10で立命SS#12今西が早稲田WRと競り合いながらインターセプト!
残り47秒で敵陣47ydsからのスタートという、絶好の1ミニッツシリーズのチャンスを得る。
#33山本へのスクリーンパスで9yds、すぐにスパイクをして時間を止めると、
次はWR#3尾崎へパスを受けてフレッシュ獲得。アウトバウンズに出て時間を止める。
時間はまだ余裕があったはずだった。
しかし、立命が次のプレーを始める時にはもう残り4秒。
ゲームクロック審判がレディーフォープレーで時間を進めてしまっていたのだった。
仕方なくスパイクをするQB#17松田(竜)。古橋HCが審判に抗議するものの、
時間が戻されることはなく...
直後に#17松田(竜)から#5森へ30ydsのパスがヒットしてゴール前に迫るものの
前半タイムオーバーとなってしまい、後味が悪い終わり方をしてしまう。
 
-後半は-
早稲田のキックオフ。立命RET#80呉田がリターンし自陣26ydsからのオフェンス。
後半もQBは#17松田(竜)。まずは#44浅尾が2ydsのラン。
続いて#33山本の中央のランが9ydsのゲインとなってダウン更新。
そこから#17松田(竜)がTE#97荒木へ12ydsパスを通して2度目のダウン更新。
しかしここからが続かず。
#44浅尾がランプレー中にファンブル、それを早稲田のD#に抑えられてしまい
立命のファーストシリーズはターンオーバーとなってしまう。
ここから早稲田のオフェンスは#21へのパスを中心にしたドライブを展開。
ゴール前5yds、3 and 2まで迫られるが、SS#12今西がRB#30末吉を6ydsのロスタックル!
なんとかエンドゾーンは割られなかったが、FGを決められて17-3とされてしまう。
 
-目前-
直後のキックオフ、早稲田はオンサイドキックを狙ったが、
立命のリターンチーム#15木村がキャッチしてオンサイドは失敗
さらに早稲田のオフサイドの反則もあり、立命は敵陣46ydsからのオフェンス。
WR#3尾崎への10ydsのパスでいきなりフレッシュ獲得すると、
そこからは立て続けに#33山本のランプレー
これがしっかりとゲインを重ね、2回のダウン更新をしてゴール前4ydsへ。
1 to 4で#17松田(竜)から#44浅尾へパスを投じるが、不成功。
しかもここで#44浅尾が負傷してサイドラインへ下がってしまう。
そこからTB#33山本が2度中央を突く。
3 to 2のランプレーはTDかに見えたが、審判は膝が付いた地点でのダウン判定。
4th ダウンギャンブルに出るが...#33山本のランは早稲田D#陣に止められTDならず。
ゴール前1ydでターンオーバーとなってしまう。
 
-狙い通り-
早稲田はゴール前1ydからのオフェンス。
最初のプレーはノーゲイン。2 and 10ではタイミングパスを狙うも失敗。
3 and 10でもパスを狙うのだが、早稲田QB#5芳賀がドロップバックしたところを
左サイドからブリッツに入ったLB#1岸本がタックルしセーフティー!
ディフェンスは狙い通りのプレーで得点を挙げる。
セーフティだったので、立命の攻撃が続く。
今度は敵陣49ydsからのオフェンス。
#17松田(竜)のQBキープが11ydsのゲイン。
#33山本の2回のランが2ydsと4yds、 3 and 4となってショットガン隊形から
WR#80呉田へ24ydsのパスをヒットさせてゴール前10ydsへ。
なんとかエンドゾーン突破を試みるが、3 and 9で#17松田(竜)がQBサックを被弾してしまい、
ここはK#8石川が32ydsのFGを決めて3点を追加する
 
-やり返し-
早稲田のキックオフリターン。早稲田RET#12坂梨を立命#1岸本がタックルし、
早稲田は自陣26ydsからのオフェンス。
このシリーズ、QB#5芳賀のスクランブルやRB#30末吉のランをなかなか止められず、
3度もダウン更新を許して立命陣侵入を許してしまう。
しかしそこからが立命D#陣の本領発揮。
立命陣41ydsの3 and 11でLB#1岸本がQBサック!
4 and 20となった早稲田のギャンブルでもDE#96青山がQBサック!
これまで立命がやられてきたQBサックをここでやり返す。

-締め-
ディフェンスのビッグプレーによって敵陣36ydsからの攻撃権を得た立命。
#33山本の右オープンが10ydsのゲイン
さらに#33山本は左へ走って1yd、中央突破で3ydsのゲインを重ねる。
3 and 6はまたもショットガンから#80呉田へのパスがヒット。
これでゴール前9ydsへと迫ると、#17松田(竜)はWR#81(名前不明)へ6ydsのパスを決め、
最後は再び#80呉田へ3ydsのTDパスをヒットさせTDで締めくくる
この後の早稲田のオフェンスを凌ぎきった立命。
29-3で早稲田に勝利した。
 
 

 
試合を振り返って
この日はメンバー表が配布されることがなかったんですが、
サイドラインにいた選手の数を見ると、遠征メンバーはかなり少なかったようです。
しかし、主力で挑んだにも関わらずこの内容というのはかなり厳しいのではないでしょうか。
 
今回もオフェンスから。
まずはこの試合が大学の試合初登場となった二回生QB#17松田(竜)について。
去年12月の紅白戦を見て「なかなか上手いな」と評価していた選手でしたが、
実際の試合で見たのは初めてでした。
今回は一試合全部出て経験を積んだことがまず収穫だったと言えるでしょう。
ランもパスもなかなか良かったですし、「オフェンスを着実に進める」タイプでしょう。
あえて今回一つ言わせて貰うと、まだラッシュを受けた時の判断が遅いことくらいでしょうか。
これに関しては試合経験を積むことで解消されてくると思います。
個人的にはこの春の間にもう一回見たいですね。
次は課題のOLについて。
この日、C#62西川を温存し、#56市川がスターター。
LT#77真田もこの春スターター経験をしていますし、ほぼ一本目と言っていい面子でした。
にも関わらず、早稲田DL相手に苦戦を強いられ、QB#17松田(竜)がサックされたのは6回。
中には#17松田(竜)の判断の遅さによるものもありますが、
パスプロがこれだけ深刻ではQBも安心して投げられないでしょう。
前半はラン/パス比率が半々くらいでしたが、ランプレー比率が後半高まりました。
後半は中央のランが出るなど、いい傾向も見られたんですが、
ゴール前1ydが押し込めないなど、パワー不足は相変わらず解消されていません。
今のオフェンスはOL次第。この課題克服は相当時間がかかりそうです。
そしてTBの人材不足は本当に深刻です。ほとんどが故障を抱えているそうで、
遠征メンバーでTBだったのは#33山本と#26松森のみ。
しかも#26松森はスタイルしただけで出場せず。
本来FBである#44浅尾がTBとしてプレーしていたくらいですから、
今の状態は本当に危機的状況であると言っていいでしょう。
このままだと春は#33山本と一回生の北川(瞬)と川端の3人でやりくりしないといけません。
オフェンス全体として3rd down コンバージョンの成功回数も高く、
敵陣からのオフェンスでもしっかりと得点に結び付けるなど、
これまで課題として挙げていた2点の解消は見られていますが、
これを今後も続けていかないことには改善とは言えません。
残り2試合でも同じようにやって「改善した」と証明してもらいたいですね。
 
ディフェンスは今回も安心して観ていました。
しっかりと与えられた仕事をしてくれているので、観ていて安定感があります。
あえて一言言わせて貰うと、QB#5芳賀を捕まえきれなかったことと、
一回生RB#30末吉にフィジカル勝負でやられてしまっていたことですね。
RB#30末吉は一回生にしてすでに大学トップレベルの身体能力だそうですが...
 
 
あと、これは試合とは全く切り離して書かなければならない話を一つ。
普段、僕は審判については書かないことにしてるんですが、
この日の審判に関しては、立命-早稲田戦に限らず、酷いジャッジが多すぎでした。
立命の試合では前半終了直前のシリーズ。
フレッシュを獲得しアウトバウンズに出たプレーの後、通常なら計時開始はスナップからです。
しかし、この時はレディーフォープレーから計時がスタートしてしまったために、
時間が流れてしまい、急いでスパイクして時間を止めたということがありました。
本来なら審判が気づき、時間を戻すべき場面です。
古橋HCも審判に抗議しましたが、次のプレー(スパイク)をしてしまったが為に
時間を戻すのは認められないという判断を下されたのでしょう。
結局、審判からは何の説明もなく、前半が終了してしまいましたが、
これは明らかな審判のミスです。少なくとも説明の必要があると思います。
さらに、第一試合の慶應-立教戦はもっと酷かったです。
・オフサイドを見逃す
・ヤードチェーンのダウンの位置が間違っていた
・試合終了間際でのスコアボードの誤表示など
審判や運営面では考えられないような酷い試合でした。
関東の試合ではヤードチェーンが動いてないのはざらにあることですが、
ヤードチェーンのダウンの位置が違ったまま1プレーやってしまったというのは前代未聞です。
それによってプレーの選択も変わる可能性があるくらいの大きなミスでしょう。
今年は関西の試合しか見ていないので、
久々に関東の審判の酷さを再認識したという感じです。
観客も何も言わないのが不思議なくらいです。
関西なら間違いなく観客から審判に対して野次が飛びます。
この日みたいなジャッジをされると、試合をしている選手たちが可哀想です。
 
 
このゲームのスターター
Offence Deffence
TE 5 森 正也 4 DE 57 武知 大樹 4
LT 77 真田 康史 2 DT 90 久司 大貴 4
LG 50 大西 賢助 3 DT 30 南 奎光 2
C 56 市川 千裕 2 DE 48 十亀 悠也 2
RG 59 淺野 匡洋 3 LB 52 海島 裕希 4
RT 73 余合 聡法 3 LB 1 岸本 裕輔 4
WR 80 呉田 達哉 2 LB 9 相馬 明宣 3
WR 3 尾崎 健人 3 CB 14 北川 裕基 3
QB 17 松田 竜太 2 FS 4 町 健太郎 4
FB 44 浅尾 将大 4 SS 12 今西 亮平 4
TB 33 山本 曜司 4 CB 24 毛利 賢二 4
K 8 石川 将 2 P 3 尾崎 健人 3
次の試合
残り2試合、次はBKCグリーンフィールドにイワタニを迎えての一戦。
立命OBが多いイワタニ。見ているファンもどうしても力が入ってしまう。
はたして、オフェンスの課題は解消されるのか?
人材不足のTB陣の切り札になる存在は現れるのか?
6月1日(日) イワタニサイドワインダーズ戦! 
'08・春シーズンの観戦記
春・第1回 「スタート」
 
春・第2回 「少しずつ」
 
春・第3回 「不安」
 
春・第4回 「期待」
 
春・第5回 「今の実力」
 
春・第6回 「雨降って」
 

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