観戦記2008
第5回 今の実力
DATE May 18th(Sun)
PLACE BKC GREEN FIELD
SCORE
  1Q 2Q 3Q 4Q
PANTHERS 3 6 0 3 12
MARVIES 0 0 0 7 7
1Q 8:47 #8石川Field Goal 32yds
2Q 9:01 #8石川Field Goal 32yds
12:00 #8石川Field Goal 26yds
4Q 0:34 #1寺尾Run 3yds TFP#3Kick
  4:39 #8石川Field Goal 40yds
STATS
  PANTHERS MARVIES
Touch Down 0 0
1st Down(ラン-パス-反則) 10(2-8-0) 14(10-4-0)
P-A-T 1point 0/0 1/1
2point 0/0 0/0
総獲得yds 202 234
攻撃回数 43 63
平均yds 4.7 3.7
パス 獲得yds 169 85
成功/回数 14/24 8/22
成功率 58.3% 36.4%
被インターセプト 1 3
ラン 獲得yds 33 149
回数 19 41
平均yds 1.7 3.6
FG 成功/回数 4/4 0/0
ファンブル 1-0 0-0
3rd Down Comversions 1/8 4/14
4th Down Comversions 0/0 2/5
記録は筆者によるものです。
公式記録とは異なりますので、ご了承下さい。
 
この試合の観戦記
この春の注目カードといえば、今回の内外電機戦だった。
XリーグWESTの上位を狙っているチームとの初対決。
現時点でのパンサーズの力を計るにはベストな対戦相手。
京大戦でふがいない試合をしたパンサーズがどれだけ修正してくるかにも注目があつまった。
 
-力比べ-
コイントスは内外が勝ち、リターンを選択。
#1寺尾がリターンして自陣31ydsから内外のオフェンスがスタートする。
スタートQBは#10安斉。#5のランは#13滝澤がタックルし1ydのゲイン
次も#5のランプレー、DE#48十亀が1ydのロスタックル!
3 and 10となったところで内外がホールディングの反則で罰退。
結局これを挽回できずに内外のファーストシリーズはスリーアンドアウトとなる。
返しの立命のオフェンスは自陣16ydsから。
まずはQB#16松田(大)がロールからWR#3尾崎へ7ydsのパスをヒット
左にTE2人を配したTB#33山本のランは2ydsのゲイン。
3 and 1でTB#7西田のランプレーを試みるが、これは内外D#の壁に跳ね返され
立命のファーストシリーズもパントとなってしまう。
内外の攻撃は自陣32ydsから。
この日は立命ディフェンスの出来の良さが目立った。
#10安斉のキープをロスにしとめると、#5のランプレーもLB#1岸本がノーゲインに
さらに3 and 12でこの日初めてのパスプレーをSS#12今西(亮)がインターセプト!
この日もディフェンスから調子を付けていく。
これで敵陣48ydsからの攻撃権を得た立命。
QB#16松田(大)からWR#3尾崎へのパスを皮切りに、
TB#7西田の3ydsランはセカンドエフォートでフレッシュライン到達。
さらに#16松田(大)のスクランブル#7西田のランが連続して9ydsのゲイン
2度目のダウン更新を獲得するものの、この直後のプレーで
#16松田(大)がパスを躊躇しその勢いでボールをファンブル。4ydsのロスとなる。
#7西田のスイープで13yds取り返すものの、3rd ダウンでは#3尾崎へのパスが不成功。
TDには至らなかったがK#8石川が32ydsのFGを成功させ、3-0と先制する。
 
-厄介な相手-
K#8石川のキックがエンドゾーンまで届き、内外RETはそこからリターン。
立命カバーチーム#33山本が好カバーを見せ、内外は自陣16ydsからのオフェンス。
QBには昨年までアサヒ飲料にいた#11木下が登場。
これが非常に厄介な相手となる。
まずは#11木下のキープで7yds進まれると、今度は#35のランで13ydsのゲインを許す。
#5のランはLB#58浦川が1ydのゲインに仕留めるが、
#11木下のオプションキープが左サイドへ抜けて16yds。
続けてスクランブルでも12ydsをゲインされ連続でダウン更新を獲得されてしまう。
しかし、ここ踏ん張ったのがディフェンス陣。
#5のランをLB#58浦川がノーゲインに抑えると、#11木下のキープも
SF#42矢盛が素早い上がりで2ydsのゲインに。3rd ダウンのパスはショートして不成功。
4th ダウンはギャンブルを選択。
#11木下がパスを試みるが...LB#9相馬がもの凄いスピードで割り込んできてQBサック!
内外のオフェンスにチャンスを与えない。
返しの立命のオフェンスはスリーアンドアウトになり、
内外はまたしても自陣16ydsからのオフェンス。このシリーズもQBは#11木下。
#5のランや#18へのミドルパスで2度のダウン更新をするものの、
自陣脱出前にホールディングの反則を犯したことが響きパントへ。
このパントがミスパントとなり立命は自陣49ydsからの攻撃となる。
 
-詰めの甘さ-
自陣49ydsからの立命オフェンス。
まずはWR#3尾崎へ6yds、続いてWR#85土井へ6ydsのパスを通してダウン更新。
さらにTB#7西田のスクリーンパス。これがRG#59淺野のブロックも良く27ydsのゲイン!
一気に敵陣レッドゾーンへ侵入するものの、
この後は#33山本のランが2yds、#85土井のリバースのランは1ydのロス。
#3尾崎へのパスも不成功となり、またしても最後を詰めきれず。
K#8石川が32ydsのFGを決めて追加点。6-0とする。
 
-大きかった一本-
残り2分53秒から前半最後の内外のオフェンス。
QBは再び#10安斉が登場。
#5のランプレーはDT#30南が4ydsのロスタックル!
#1寺尾のランは6ydsのゲインとなるものの、
3 and 8での#5へのピッチはCB#13滝澤が素早いタックルでノーゲインに仕留める。
前半残り37秒、立命は自陣50ydsからの攻撃権を得る。
最低でもFGにしたいこの場面。
1 and 10は#16松田(大)がターゲットを見つけきれずに投げ捨て。
2 and 10で#85土井に20ydsのパスをヒットさせると、
今度は#3尾崎へ21ydsのパスをヒットさせてゴール前へ。
パスなら残り1プレーはできるシチュエーションだったが、
ここは無理をせずギリギリまで時間を流して残り3秒でタイムアウト。
最後はK#8石川がこの日3本目となる26ydsのFGを決めて9-0で前半を折り返す。

-内外怒涛のドライブ-
後半は内外のキックオフ、立命のリターンでスタート。
立命RET#7西田がリターンするものの、内外#31の強烈タックルを浴び
自陣17ydsからのオフェンスとなる。
QB#16松田(大)がまずWR#85土井に17ydsのパスを通し一発フレッシュ
ショットガンからTE#97荒木へのパスは不成功。
プレアクションからWR#3尾崎へ16ydsのパスを通して敵陣に侵入するものの
TB#33山本、#7西田のランは止められパントとなってしまう。
内外は自陣10ydsからのファーストシリーズ。
時間は第3Q2分15秒。ここから怒涛のドライブを展開される。
QBは#10安斉。まずその安斉がキープして4ydsのゲイン。
#2へのパスは立命D#陣の出足が早くロスタックルに仕留めるが、
#1寺尾へ25ydsのパスを通されてしまう。
この後もジリジリと進まれ、内外自陣45ydsで4 and inch。
ここでギャンブルを選択し、#35のランでフレッシュを獲得されてしまう。
さらに#35のランや、#1寺尾のピッチを受けてパスの構えからのランプレーなど
内外の意地のオフェンスが続く。
そして立命陣35ydsでは再び4 and 1のギャンブル。
ここも#35のランでダウン更新を許してしまう。
この後は#57武知のパスラッシュや#12今西の素早いランサポートなど
立命D#陣にも好プレーが出るのだが、要所で内外に進まれてしまい、
いつの間にか第3Qが終了。
第4Qに入って2プレー目、#1寺尾のランを止められずにTDを奪われる。
TFPも決められて9-7。2点差と追い上げられる。
 
-断ち切る-
返しの立命はRET#84呉田のリターンで自陣26ydsから。
そのWR#84呉田に15ydsのパスがヒットしダウン更新。
この後は3プレー連続で#18細谷へのパスを試みるも、
不成功、ノーゲインと続き3 and 10は7ydsのゲインでフレッシュならず。
P#3尾崎のパントはタッチバックとなってしまう。
内外は自陣20ydsからのオフェンス。
このシリーズで同じようなドライブを展開されると一気に流れが変わる可能性があったが、
内外反則罰退後の3 and 19でCB#24毛利が値千金のインターセプト!
内外の勢いを断ち切る。
これで敵陣42ydsからの攻撃権を得た立命。
TB#33山本へのスクリーンが11ydsのゲインでフレッシュ獲得。
直後のプレーは内外D#にパスをデフレクトされ失敗。
#33山本へのピッチは2ydsのロス、3 and 12のパスもショートしてしまい
せっかくのチャンスをTDに結びつけることができず。
K#8石川がこの日4本目の40ydsFGを決めて12-7と5点差にする。
 
-執念-
このキックオフリターン、内外RET#1寺尾がファンブル。
ボールをリカバーしたところを立命#33山本がタックル!
内外のオフェンスを自陣6ydsからのスタートにさせる。
このシリーズはQB#11木下。QBキープを中心にジリジリとゲインされるが、
自陣43yds地点での3 and 1でDT#90久司のロスタックルが出ると、
4th ダウンギャンブルも#11木下のキープを止めてターンオーバー!
この後の立命オフェンスはスリーアンドアウトに終わってしまい、
内外は自陣20ydsからのオフェンス。QBは#10安斉。
ここでも立命D#陣が執念のディフェンスを見せる。
まずは#85へのパスをCB#13滝澤がタックルし不成功。
さらにDL陣のパスラッシュがかかり投げ捨て。
#85へ15ydsのパスを通されてしまうが、
その後は#12今西が#85の手からボールを掻き出す好プレー!
さらに2 and 10ではSF#42矢盛がインターセプト!
内外の追い上げを許さない。
 
-最後の詰め-
時間は残り1分15秒・5点差で敵陣46ydsから。
当然ここは攻めのオフェンス。
最後でもTDを獲って欲しいという期待はあったが...
2 and 10で#16松田(大)のパスは内外DBにインターセプト被弾。
53秒を残し、内外に自陣40ydsからの攻撃権を与えてしまう。
しかしここも立命D#陣が奮闘。
#58浦川や#49菊地のタックルでパスを不成功にしとめ、
4th ダウンギャンブルも#1寺尾へのパスが不成功。
立命のオフェンスとなりニーダウンで終了。
 
12-7で勝利したものの、内容としては京大戦よりは改善が見られた。
しかし、「日本一」を狙うチームが内外を相手に薄氷の勝利。
これが今の実力と捉えるしかないだろう。
越えるべき山々はもっと高いところに位置している。
そこまで辿り着けるかどうかは、オフェンスの成長に掛かっている。
 
 
試合を振り返って
前週の京大戦の内容からして、かなり厳しい試合になるだろうと思っていたんですが、
少しだけ内容に改善は見られたような気はします。
ただ、「視点」の持ちようによっては見方は変わったのではないかと思います。
個人的に試合前はかなりハードルを低く設定していた節がありますが、
試合を振り返ってみて、視点を変えてみることで観戦記の切り口を辛口モードにします。
 
しかし、まず今回は素直に評価できるディフェンス陣から。
第3Qのロングドライブは別として、よく内外オフェンスを抑えたと思います。
内外の試合を生で観るのは初めてだったんですが、
正直もっと内外のランにやられるのではと思っていました。
しかし、DL・LBはもちろん、DBのランに対する素早いタックルが効いてましたね。
トータルでは150yds近く走られましたが、「止められなかった」という印象はありません。
パスに対しても3インターセプトと上出来だったと思います。
現時点でディフェンスに関してはそれなりの手ごたえを感じています。
ただ、敢えて一つ課題を残すとすると「vs強力WR陣のパス守備」ですね。
この春対戦してきた相手の中でトップクラスのWRを擁したチームはありませんでした。
京大にしろ、内外にしろ、どちらかといえばランプレーに強みを持っているチーム。
なので、強力なWR陣がいるチームと対戦して空中戦になった時に、
今のDB陣がどこまでできるか、注目したいです。
そういう意味では6月8日のシーガルズ戦は重要な試合になると思います。
 
さて、次に課題が山積みのオフェンス陣。
前半は内外ディフェンス陣を相手にFG3本という内容でしたが、
最後のFGへ結びつけた37秒のシリーズは素直に「良かった」と言ってもいいでしょう。
あれがなければ、内外のTDで逆転され、そのままズルズルといった可能性があります。
そういう意味では重要なシリーズでした。
しかし、試合全体で見てみると再三の敵陣スタートからの攻撃も
TDに結びつけることができない「詰めの甘さ」という点が改善されていません。
特に第4Q8分の内外のギャンブル失敗から得た敵陣43ydsからのスリーアンドアウト。
そして残り1分15秒でのインターセプト。
この2つは完全にやってはいけない「ダメなオフェンスの典型」でしょう。
いろいろ要因はあると思いますが、やはり主にOLのパワー不足とQBの未熟さが原因でしょう。
今回ランプレーは19回33ydsとこの春で最も少ない獲得ydsでした。
前半、ランプレーが内外D#陣にことごとく止められていたということもあり、
後半はショットガンの比率が高くなり、ランプレー回数も減りました。
しかし、それにより回数が増えたパスにしても
後半は12回試投の6回成功74yds1インターセプト。
QB#16松田(大)はまだまだWR陣との呼吸が合っていないようにも感じますし、
この日のように動きながらのパスが安定感に欠けます。
去年からセットバックに取り組んでいる以上、OL陣のパワーアップは必要不可欠です。
後半にショットガンが多くなったことを「悔しい」と感じていないとダメでしょう。
QB#16松田(大)にしても、要所でパスを決められなかったこと、
最後にインターセプトを被弾してしまったことを深刻に受け止めて欲しいです。
「もし、あの場面が関学戦だったら」そういうイメージを持って普段からプレーすることが
立命のエースQBに必要とされていることですし、
そこで決めることが自分の役目だということを自覚して欲しいです。
と、ここでこの日のランプレーに関しての補足説明を。
ランがあまり出なかった要因の一つとして、TB陣の人員不足というのがあります。
これに関しては、この日は仕方ないと考えるしかないでしょう。
TB陣には怪我人が多く、前日のJV戦で一回生TB陣がフル出場。
#7西田もJV戦に出場してましたし、さらにこの日後半最初のリターンでモロにタックルを受け
一時はサイドラインへ下がるくらいでした。
つまり、内外戦はほとんどのランプレーをTB#33山本に任すしかなかったのです。
彼のスタイルは本来は中央突破です。
それがこの日はオープンやスイープなど、本来なら#26松森や#34橋本が担うプレーも
こなさなければいけなったということを考えると
RB陣の責任とは言い切れないと、補足をしておきます。
WR陣に関しては#3尾崎の復活が好材料ですね。
この日は積極的に使われていましたし、このまま出てきてくれると
かなり計算できるのではないかと思います。
 
スペシャルチームに関してはK#8石川の4本のFGに尽きるでしょうね。
全てキッチリ決めた安定感は、二回生とは思えません。
この日は特にTDを奪うことが難しい状況だったので、より一層FGの重要性が高まりました。
パントに関しても#3尾崎の復活は大きいでしょう。
飛距離も高さも申し分なしですね。あとはコントロールの問題です。
カバーチームで一番良かったのは#33山本でした。
TBとしてもほぼフル出場していましたが、カバーチームの動きの方が目立ってましたね。
全体的にもカバーはしっかりと出来ていましたし、及第点だと思います。
 
チーム全体としては前日のJV戦からもそうでしたが、
声もよく出ていましたし、サイドラインの雰囲気も良かったと思います。
危機感をもってやっているという感じがあり、
京大戦の時に感じたような違和感はあまりありませんでした。
今年のチームは常に危機感を持ってやらないといけないチームです。
「自分達はこれでいいんだ」と安心できるような強いチームではありません。
そのことを肝に銘じて、まずはこの春を終えてもらいましょう。
 
 
このゲームのスターター
Offence Deffence
TE 5 森 正也 4 DE 57 武知 大樹 4
LT 73 余合 聡法 3 DT 90 久司 大貴 4
LG 50 大西 賢助 3 DT 30 南 奎光 2
C 53 西川 裕亮 4 DE 48 十亀 悠也 2
RG 59 淺野 匡洋 3 LB 58 浦川 貴史 3
RT 55 岡崎 亮 3 LB 1 岸本 裕輔 4
WR 18 細谷 賢志朗 4 LB 9 相馬 明宣 3
WR 84 呉田 達哉 2 CB 13 滝澤 輝久 4
QB 16 松田 大司 3 FS 4 町 健太郎 4
FB 44 浅尾 将大 4 SS 12 今西 亮平 4
TB 7 西田 貴司 3 CB 24 毛利 賢二 4
K 8 石川 将 2 P 3 尾崎 健人 3
次の試合
この春唯一の関東遠征、しかもパンサーズは駒沢陸上競技場初見参!
関東の雄・早稲田に対し、どのような試合を展開するのか。
次のステップへ行くためにも内容に注目したい一戦。
5月25日(日)  早稲田大学戦!
 
'08・春シーズンの観戦記
春・第1回 「スタート」
 
春・第2回 「少しずつ」
 
春・第3回 「不安」
 
春・第4回 「期待」
 
春・第5回 「今の実力」
 

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