観戦記2008
第3回 不安
DATE May 11th(Sun)
PLACE EXPO FLASH FIELD
SCORE
  1Q 2Q 3Q 4Q
PANTHERS 7 0 6 3 16
GANGSTERS 3 0 0 0 3
1Q 1:30 #34橋本Run 57yds TFP#1石川Kick
  9:46 #99又賀Field Goal 38yds
3Q 5:17 #7西田Run 1yd
4Q 8:23 #1石川Field Goal 22yds
STATS
  PANTHERS GANGSTERS
Touch Down 2 0
1st Down(ラン-パス-反則) 12(9-3-0) 6(3-2-1)
P-A-T 1point 1/2 0/0
2point 0/0 0/0
総獲得yds 254 71
攻撃回数 57 49
平均yds 4.9 1.4
パス 獲得yds 60 35
成功/回数 9/23 5/18
成功率 39.1% 27.8%
被インターセプト 0 2
ラン 獲得yds 194 36
回数 34 31
平均yds 6.1 1.1
FG 成功/回数 1/1 1/1
反則 回数 4 1
喪失yds 35 0
ファンブル 3-2 1-0
3rd Down Comversions 4/12 1/12
4th Down Comversions 0/0 1/1
Ball Possesion 22:54 25:06
 
 
この試合の観戦記
前日降った雨は未明に止み、晴れ間ものぞいたエキスポ。
春に京大と戦うのは2002年以来7年ぶり。
これまでの2戦よりも手強い京大を相手に、現状でどこまでできるかを見る絶好の機会となった。
 
-出だしはOK-
コイントスは立命が勝ち、リターンを選択。
京大のキックオフはタッチバックとなり、自陣20ydsからのファーストシリーズとなる。
1 and 10のTB#44浅尾へのパスは不成功となるものの、
TB#34橋本のランで4yds、TB#26松森へのパスで6ydsゲインしてダウン更新。
そこから再び#34橋本の右オフタックルが11ydsのゲインになると、
自陣41ydsからの2 and 10でまたしても#34橋本。
ドロープレーでスクリメージを抜けると、そのままエンドゾーンへ駆け抜けて先制TD
TFPもK#1石川が決めて7-0とする。
 
-ディフェンスは-
京大は自陣35ydsからのファーストシリーズ。
QBは#10桐原。まずは#3曽田のランで2ydsのゲイン。
2 and 8はWR#17生川へのパスをヒットさせるが、
立命CB#13滝澤が素早いタックルで余計なゲインをさせず。
一度はフレッシュされるものの、
直後のプレーで#13滝澤が京大QB#10桐原のパスをインターセプト!
いきなりのターンオーバーでいいスタートを切る。
 
-しかし-
敵陣49ydsからのオフェンスとなったが、ここからオフェンスが繋がらない。
#26松森のランは3yds。TE#97荒木へのパスは失敗。
再び#26松森のランを出すものの、ダウン更新には至らずあっさりとスリーアンドアウトとなってしまう。
P#83田中のパントがアウトバウンズになり、兄弟は自陣21ydsから2回目のシリーズ。
1 and 10で立命DE#96青山のロスタックルが決まったこともあり、
#10桐原のキープやショットガンからのパスでダウン更新まで至らず。
京大もパントとなる。
その返しの立命オフェンスは自陣27ydsから。
QB#16松田(大)が左のロールからTE#5森へパスを放つものの失敗。
しかもこのプレーでイリーガルフォーメーションの反則を犯しており5yds罰退。
「パス失敗を取り消されて良かった」と思ったのも束の間、
1 and 15からの#26松森のランプレー。4ydsほどゲインしダウンしたかに見えたが、
直後にボールは京大D#の手の中に。審判の判定はファンブルロスト。
まさかのターンオーバーとなる。
そこから立命ディフェンス陣が踏ん張り、ダウン更新は与えなかったものの
京大K#99又賀に38ydsのFGを決められ7-3とされてしまう。
 
-淡白な攻防-
続いての立命のオフェンス。
WR#84呉田へのパスで5yds、#26松森の左オフタックルで1yd、
さらに3 and 4では1バックの隊形から#26松森へのパスで4ydsのゲイン。
メジャーの結果インチが残り4th ダウンギャンブルへ、
と思ったがOLがフォルススタートの反則で5yds罰退。
パントを蹴ることになったら、このシリーズもスリーアンドアウト。
京大のシリーズも立命DE#57武知のQBサックが飛び出してスリーアンドアウト。
この後、立命・京大ともにスリーアンドアウトとなり、パントの応酬となる。
 
-一つではない原因-
パントを蹴り合い、立命は第2Q4分8秒・敵陣49ydsからのオフェンス。
TE#5森へのパスがヒットして5ydsのゲイン。
さらに#26松森のラン、WR#18細谷へのパスでダウン更新。
続けて#84呉田へのパス、#34橋本のランで2度目のダウン更新をするもののこの後が続かず。
#84呉田のクイックリバースは京大D#陣に狙われ-3yds。
さらにQB#16松田(大)がサックを被弾して-8yds。
3 and ロングのシチュエーションではWR#27常包がイージーなパスをキャッチミス。
その後のシリーズでも#16松田(大)のパスがオーバースローになったり、
#84呉田がキャッチミスをしたりと集中力を欠いたミスが散見。
確実にオフェンスの歯車が狂ったまま、前半を折り返すことになった。
 
-後半は-
立命のキックオフ、京大のリターンで開始。
京大のリターナーを立命カバーチーム#99岸本が素早い出足でタックル!
京大自陣15ydsからのオフェンス。ここは一度のダウン更新を許すものの
その後の3 and 8でLB#99岸本が今度はQBサックを決めてパントへ。
立命は敵陣49ydsから後半最初のシリーズを迎える。
後半もQBは#16松田(大)
まずは#26松森のランで4yds、TB#7西田のランで9ydsを稼いでフレッシュ獲得。
#26松森の中央は1ydのゲインにとどまるものの、
2 and 9からのTB#33山本のランプレーはブロックも良く28ydsのゲイン!
ゴール前7ydsとすると、#26松森が左オープンを走って残り1yd
こうなると最後は#7西田。きっちり飛び込んで後半もファーストシリーズでTDを挙げる
しかしTFPのKickは逸れて失敗。13-3とする。
 
-またも-
立命のキックオフはタッチバックとなり京大のオフェンスは自陣20ydsから。
QB#10桐原からピッチを受けた#3曽田を立命FS#4町が-2ydsのロスタックルに仕留めるものの、
続くプレーでDBの奥を狙われ、京大WRについていた立命DBがパスインターフェアの反則。
ファーストダウンを献上してしまうが、この後はLB#9相馬のロスタックルもありパントへ。
京大のパントが上手く飛ばず、立命はまたしても敵陣45ydsからのスタート。
1 and 10でホールディングの反則があったものの、
TB#33山本、#7西田のランでダウン更新
さらにQB#16松田(大)のスクランブル、#7西田のランでレッドゾーン侵入。
このシリーズも得点かと期待したが、続くランプレーで#33山本が京大DBのタックルを受けて
ボールを後方へ弾かれた。
必死にボールを奪い合う立命O#と京大D#。最後にリカバーしたのは...京大の選手だった。
この試合2度目のファンブルロスト。
オフェンスに棲みついた悪い病気が、またも出てしまう。
 
-形だけは-
直後の京大のシリーズの3 and 8、QB#10桐原が放ったパスが
立命LB#9相馬にストライクとなりインターセプト、ターンオーバー!
敵陣35ydsからのオフェンスと第4Qでいきなりのチャンスがめぐってくるが
ここもあっさりとスリーアンドアウト。
京大も返しのシリーズは一度のダウン更新をしただけでパント。
このパントを立命RET#84呉田がリターンし、自陣41ydsからの立命オフェンスとなる。
まずはWR#18細谷へ9ydsのパス、#33山本のランでダウン更新すると、
その後は再び#33山本のランでダウン更新。
WR#27常包へ9ydsのパスがヒットし、今度は#7西田がダイブして3度目のダウン更新
そして#16松田(大)から#84呉田へ「これぞホットライン」と呼べるようなパス
この試合初めて通ってゴール前8ydsへ迫る!
しかし#16松田(大)のピッチが高く危うく後逸しそうになった#33山本のランは2yds、
#7西田のランも1ydどまり。
最後はなんとかTDで締めたかったが、左コーナーへ走った#18細谷へパスが合わず。
K#1石川が22ydsのFGを決めて16-3。形だけはなんとかした。
京大最後のオフェンスは残り3分29秒、自陣30ydsから。
なんとか2回のタイムアウトを使いながら得点を目指したが、
立命陣に侵入したところでゲームオーバーとなった。
 
立命にとっては本当に厳しい試合となった。
これまでの2試合より力が上の京大を相手にし、現時点での力が浮き彫りにされた形となった。
この試合から何を学ぶのか。2008年のパンサーズは前途多難である。
 
 
試合を振り返って
この試合、これまでの2試合の相手より格上の京大を相手に、
どういう試合になるか、力を計る一戦になるなと思っていました。
結果に関しては、東海大戦の観戦記でも書いたとおりのものでした。
強くなるための試練が、ようやく立ちはだかってきたという印象でしょうか。
 
今回も反省点から。
 
前回、あれだけ「ファンブルしないような姿勢を見せて欲しい」と書いたにも関わらず、
今回も2ファンブルロスト。ボールセキュリティの改善が全くなされていません。
去年の神戸大学戦から8試合連続でファンブルしています。
(秋の京大戦だけはロストにはならず)
これはもう「慢性的な病気」としか言いようがありません。
基本中の基本ができてないことが本当に腹立たしいです。
1つ目の#26松森のファンブルは先にダウンしたかと思いましたが、
結局最後までボールを確保していなかった#26松森の責任でもあります。
#33山本のは京大DBの強烈なタックルが入りましたね。見事にボールが吹っ飛んでました。
それでもボールを離さないようにするのがキャリアーの役目。
京大は試合前にファンブルリカバーの練習をしていました。
試合前練習でそんな練習をするのを初めて見たので
「うちがファンブルするものと思ってるんじゃないか」と話していたんですが、まさにその通りでしたね。
京大のファンブルを含め、ルーズになったのは全て京大選手にリカバーされました。
ファンブルリカバーの練習も必要だと思いますが、
それよりもまず「ファンブルしない練習」をして下さい。
 
次にオフェンス。この日はオフェンス全体が弱すぎでした。
再三の敵陣からの攻撃でTDはおろかFGさえ狙える所まで進めず、
パントを繰り返すとは、一体どういうことでしょうか?
これも前回の観戦記に書きました。「決定力に欠ける」と。
確かにこの日は厳しい条件が揃っていたことは確かですが、
それよりも「ここで絶対点を獲る」とか「ディフェンスが作ったチャンスを活かす」という
気持ちがオフェンス全体から感じられなかったのが気になります。
QB#16松田(大)は強風を気にしていたのか、コントロールが定まらず、
これまで見せていたような思い切りのいいパスが見られませんでした。
加えてレシーバー陣がイージーミスを連発。
RACに行こうとしてボールを見ていないのがハッキリと分かりました。
WR#84呉田、WR#27常包(雄)、両TE#5森・#97荒木もボールが全然手についてなかったです。
強風に加え、WR陣がこんなにパスを落としていてはQB#16松田(大)だって調子は上がりません。
RB陣は上に記述した通り。一つ付け加えると、
#26松森は本来の体の切れがまだ戻ってきていない様子でした。
OLではしょうもないミスもありました。
4th down インチのシチュエーションでギャンブルに出たにも関わらず、
フォルススタートで5yds罰退し結局パントに切り替えたあの場面。
ああいうことをしていては、大事な場面でも同じミスを繰り返してしまいます。
オフェンスは全体で気持ちを一新しなければいけないでしょう。
 
ディフェンスは唯一FGだけの失点。
それもオフェンスのターンオーバーで敵陣26ydsからの攻撃となったものでした。
ディフェンスに関しては、相手が京大だったことを考えても「及第点」というところでしょうか。
個人的に良かったと思うのはLB#58浦川と#9相馬、CB#13滝澤も良かったですね。
LBの2人は安定したプレーを見せてくれていますね。
#52海島(希)がこの春まだ出ていないので、彼が帰ってくれば万全の体制になりそうです。
相変わらずメンバー入れ替え&ポジション替えの激しいDB陣ですが、
DBのエース番号#13を受け継いだだけあって、CB#13滝澤はかなり期待できそうです。
ファーストシリーズの素早いタックル然り、インターセプト然り、
今年急成長が期待できるのではないでしょうか。
#4町は#42矢盛が入るとCB、#24毛利が入るとFSとポジションチェンジが多いですが、
この日もFSの時に素早いランサポートを見せていましたし、
個人的にはFSの方が合っていると思います。
東海大戦でインターセプトを決めたときもFSでしたし。
#42矢盛はパスインターフェアを取られましたが、いい経験をしたと考えた方がいいでしょう。
あの審判の位置からすると(#42矢盛と京大WRの背中見る状態)、
インターフェアを取られる可能性が高いです。
重要な試合で同じようなことがないとは限りません。もし狙われた時に対応できるよう、
「あれは反則なんだ」という線引きが出来たと考えるべきでしょう。
あえてディフェンスに注文をつけるとすれば、
京大D#陣のような「ボールへの執着心」を見せて欲しいですね。
京大D#陣は常にボールに向かっていました。
いい意味でのいやらしいディフェンス。それが加わるといいですね。
 
キッキングに関してはパントの精度をもう少し上げたいといったところでしょうか。
#83田中は飛距離も高さも十分だとは思うんですが、コントロールがもう一つです。
上手くコントロールしたパントを蹴って、カバーチームがギリギリエンドゾーン前で
抑えることができるようなパントが蹴れるようになるといいですね。
まだこの春からのスターターですから、ここは経験を積む場と考えましょう。
 
今回の京大戦、チームとして学んだことは多かったはず。
次は社会人X-WESTの強豪・内外電機が相手です。
過去2年、アサヒ飲料とFINAL6出場争いを繰り広げている内外。
京大よりも力は上と見ていいでしょう。
クリアすべきハードルはより高くなっていくにも関わらず、
このチーム状態のままで挑んでいけるのか、かなり不安です。
 
内外戦の試合後には...不安が確信になるかもしれません。
 
 
このゲームのスターター
Offence Deffence
TE 5 森 正也 4 DE 57 武知 大樹 4
LT 73 余合 聡法 3 DT 90 久司 大貴 4
LG 50 大西 賢助 3 DT 30 南 奎光 2
C 53 西川 裕亮 4 DE 96 青山 洋平 3
RG 59 淺野 匡洋 3 LB 58 浦川 貴史 3
RT 55 岡崎 亮 3 LB 99 岸本 裕輔 4
WR 84 呉田 達哉 2 LB 9 相馬 明宣 3
WR 27 常包 雄一 4 CB 13 滝澤 輝久 4
QB 16 松田 大司 3 FS 4 町 健太郎 4
FB 44 浅尾 将大 4 SS 12 今西 亮平 4
TB 26 松森 俊介 4 CB 24 毛利 賢二 4
K 1 石川 将 2 P 83 田中 翔 2
次の試合
この春唯一の2連戦、5月17日(土)はJV・京都産業大学戦。
トップチームとは切り離し、期待の戦力チェックには欠かせないJV戦。
今年は一試合のみになってしまっただけに、
選手にとっても我々ファンにとっても大事な一戦。
 
そして5月18日(日)は前半2つ目の山場・内外電機戦!
躍進中の内外電機を相手に、現時点の力でどこまで対抗できるか。
今のパンサーズの力を計る、重要な一戦!
 
'08・春シーズンの観戦記
春・第1回 「スタート」
 
春・第2回 「少しずつ」
 
春・第3回 「不安」
 


i-modeからの試合速報

京大戦メンバー表
関西学生アメリカンフットボール連盟HP。
公式記録はこちらで確認して下さい。
inserted by FC2 system