観戦記2008
第8回 王座
DATE Dec 21st(Sun)
PLACE NAGAI STADIUM
SCORE
  1Q 2Q 3Q 4Q
PANTHERS 9 7 0 3 19
TOMAHAWKS 0 8 0 0 8
1Q 4:54 #11松田(大)Pass→#41姉川 1yrd TFP#17砂原Kick
  7:14 #17砂原Field Goal 32yds
2Q 1:20 #11松田(大)Pass→#3尾崎 17yds TFP#17砂原Kick
13:12 #34松田Punt Return 5yds TFP#29原Run
4Q 12:48 #17砂原Field Goal 32yds
 
チャック・ミルズ杯 RB 26 松森 俊介
甲子園ボウルMVP DB 12 今西 亮平
NFL特別賞 DB 12 今西 亮平
敢闘選手 RB 29 原 卓門
STATS
  PANTHERS TOMAHAWKS
Touch Down 2 1
1st Down(ラン-パス-反則) 16(9-7-0) 13(4-9-0)
P-A-T 1point 1/2 0/0
2point 0/0 1/1
総獲得yds 304 258
攻撃回数 72 59
平均yds 4.2 4.37
パス 獲得yds 199 175
成功/回数 21/30 16/28
成功率 70.0% 57.1%
被インターセプト 0 3
ラン 獲得yds 105 83
回数 42 31
平均yds 2.5 2.67
FG 成功/回数 2/2 0/0
反則 回数 5 1
喪失yds 26 5
ファンブル 0-0 2-1
3rd Down Comversions 6/18 5/14
4th Down Comversions 0/0 0/1
Ball Possesion 34:16 25:14
 
 
この試合の観戦記
「浅尾を日本一の主将に!」の言葉を胸にパンサーズが甲子園ボウルに帰ってきた。
相手は3年前に敗れた法政大学トマホークス。
リベンジを果たし、4年ぶりの甲子園制覇へ。
 
-浅尾ナイス!-
コイントスには主将#44浅尾をはじめ、幹部4人が勢揃い。
立命がコイントスに勝ち、前半をチョイスした。
オクラホマスタイルからの咆哮長居スタジアムに響き渡る。
 
-狙い通り-
コイントスで狙い通りに先攻を取った立命。
法政のキックオフを立命RET#19田原が自陣35ydsまでリターンしてファーストシリーズ。
IフォーメーションからWR#1呉田へ9ydsのパス、TB#34橋本3ydsランでダウン更新すると、
今度はショットガンからWR#3尾崎へのパスが3ydsのゲイン。
TB#26松森の左オープンが19ydsのビッグゲインになって敵陣30ydsとすると、
今度はワイルドキャットフォーメーションから#26松森がキープして10ydsのゲイン。
続く#34橋本のランはOLもろともタックルされ1yrdのロスになってしまうが、
#1呉田、WR#31常包(雄)に連続でパスをヒットしてダウン更新。
ゴール前9ydsでワイルドキャットから#42高野橋のランで残り1yrd。
TB#33山本の中央突破が失敗した後の3rd To 1。
ここはQB#11松田(大)がエンドゾーン手前ギリギリにいたFB#41姉川へTDパスをヒット!
TFPはブロックされて失敗となるが、6‐0と先制する。
 
-流れはこっちだ!-
立命のキックオフ、RET#81栗原のリターンで法政のファーストシリーズは自陣33ydsから。
まずはRB#29原のランで3ydsゲインするものの、次のプレーで法政QB#9小田が
無理投げしたパスを立命SS#12今西(亮)がインターセプト!
いきなりのターンオーバーで立命が一気に流れを掴む。
リターン中の反則により、この攻撃は自陣41ydsから。
ここで#11松田(大)はプレアクションから#31常包(雄)へパスをヒット!
#31常包(雄)も法政DBと競り合いながらのスーパーキャッチ!
これで敵陣22ydsと迫ると、#34橋本・#22西田のランで2ydsずつ。
3 and 6で#31常包への左コーナーのパスが失敗して、FGへ。
ここはK#17砂原が32ydsをしっかりと決めて9-0とリードを広げる。
 
-堅守-
法政のキックオフリターンで立命カバーチーム#99岸本のタックルが良く、
2回目のオフェンスシリーズは自陣30ydsから。QBは一回生#12山口
ここでも立命D#陣の堅守が光る。
ファーストプレーでLB#99岸本が法政#29原を4ydsのロスタックルにしとめると、
DT#30南のパスラッシュ、LB#52海島(希)のQBサックなどでスリーアンドアウトへ。
パントは#1呉田がキャッチして敵陣スタートとなる。
3回目のシリーズは#26松森へのスクリーンが14ydsのゲインとなった程度。
敵陣41ydsからの3 and 17で#1呉田への14ydsパスが決まり敵陣27ydsで4th downとなるも、
ここは無難にパントを選択。スナップが乱れてしまったものの、P#3尾崎が絶妙なパントを蹴り
法政陣7ydsでボールデッドとなる。
法政の3回目のシリーズはQB#9小田。まずはランプレーで2ydsゲインするものの、
#6堀へのオプションピッチは立命SS#12今西(亮)が4ydsロスタックル!
そこから#81栗原へのスクリーンパスでダウン更新を許してしまうが、
この後はワイルドキャットから#29原のパスなどのスペシャルプレーも封じる。
そして第2Qに入ってからの最初のプレー。
#9小田が放ったパスを立命SS#12今西(亮)が狙いすましてインターセプト!
ディフェンスが2回目のビッグプレーを出してくれた。
敵陣29ydsから#26松森のラン、TB#33山本のランでレッドゾーン侵入すると、
WR#3尾崎へピンポイントのパスをヒットさせて2本目のTD!
TFPは今度は決まって13-0と点差を広げる。
 
-膠着-
返しの法政は自陣31ydsから。QB#12山口からWR#81栗原へ19ydsのパスを通されてしまうも、
法政お得意の2度のシフトからのロンリーセンターは#52海島(希)が3ydsのロスタックル!
QBを#1黒坂に変え、#29原へのダイレクトスナップ、QBキープをするもここもパント。
法政P#9小田が蹴って立命はリターンできず。
自陣15ydsからのオフェンスは右アウトのパス失敗、#26松森へのスクリーンが5yds。
立命の反則をディクラインされ(パス失敗)であっさりとスリーアンドアウト。
この後も、立命のオフェンスはスリーアンドアウトを繰り返すことになる。
逆に法政O#は#29原のランや#81栗原へのパスで2度のダウン更新をしたこともあり、
パント合戦となっても法政のフィールドポジションが次第に良くなっていく展開となった。
そして迎えた立命自陣1yrdからのオフェンス。
ここもフィールドポジションがきつかったこともありTE#5森へのパスが失敗。
#22西田のランが2yds、#1呉田へのパスも2ydsどまりでパントへ。
エンドゾーン内から#3尾崎がパントを蹴るが...
これを法政の選手にブロック&リカバーされてTD献上。
TFPも#29原に右オープンを走られ、まさかの形で8点を失ってしまう。
 
この後は立命が残り時間をキッチリと消費したのだが...
嫌な雰囲気になったまま前半を折り返すことになってしまった。

-後半-
立命#17砂原のキックオフがタッチバックとなり、法政自陣20ydsからのオフェンス。
ファーストプレーはQB#12山口のパスがヒットしたが、
2nd down、3rd downはQB#1黒坂がキープするも、立命LB#58浦川が食い止めパントへ。
立命は自陣42ydsからのファーストシリーズ。
#26松森の5ydsラン、#34橋本へのピッチで3yds。
3 and 2はアンバランス隊形から#33山本がキッチリと稼いでフレッシュ獲得。
敵陣に侵入するも#22西田のランは3yds、
ワイルドキャットからの#42高野橋のランはノーゲインに抑えられ、
3rd downは#11松田(大)がQBサックを被弾して大きくロスしてパントへ。
P#3尾崎のパントが法政陣12ydsで止まる好パントなるものの、
前半途中から落ち込んでいた攻撃の流れを変えることはできなかった。
 
-やはりディフェンス-
続く法政のシリーズは#29原のラン、#29原へのシャベルパスでダウン更新を許すものの、
DE#57武知の好タックルやSS#12今西のパスカットなどもありパントへ。
しかし、ここで法政P#10野澤のパントが立命陣9ydsで出るという好パント。
またしても苦しいフィールドポジションを強いられることになり、このシリーズもパントへ。
しかもパントを法政に20ydsほどリターンされてしまう。
このシリーズを止めなければ、第2Q中盤以降のマズいムードを繰り返すことになる。
そんな嫌な予感がした矢先だった。
法政#9小田のキープ中に立命#52海島(希)がファンブルフォース!
リカバーは#49菊地!ディフェンスがこの嫌なムードを断ち切る。
ターンオーバーで自陣43ydsからの立命オフェンス。
#34橋本へのパスで8yds、#22西田・#33山本のランを続けてダウン更新。
さらに#1呉田へのパスで2度目のダウン更新をするものの、
FB#41姉川へのパスはキャッチミス。
続いて#11松田(大)→#22西田→#1呉田のリバースも法政D#に阻まれ大きくロスと、
O#陣は流れを掴みきれずにパントに終わってしまう。
 
-勝負所-
法政は自陣20ydsからのオフェンス。ここは#30南のパスラッシュで投げ捨て、
#1黒坂のキープも2ydsに止めて第3Q終了。
第4Qに入ってのファーストプレー、#81栗原へのパスが28ydsのゲインで立命陣侵入を許すと、
#7本間へのパスも決められて立命陣38ydsへ。
しかし、ここから再びディフェンスが踏ん張る。
#29原のランプレーを2回続けて止めると、ワイルドキャットから#29原が
WRに入った#9小田へピッチしたところを#13滝澤がロスタックル!
まずはパントへと追い込んでピンチを凌ぐ。
立命は自陣10ydsからのオフェンスをあっさりとスリーアンドアウトに終わらせてしまい、
またしても法政のシリーズ。今度は法政陣42ydsから。
ここも#29原のラン、#83宮本へのパスで連続ダウン更新を許すものの、
#6堀へのスイングパスは4ydsのロスタックル。
さらに#29原のランも#52海島、#48十亀がキッチリと止めて迎えた4th down 5。
ここを#12山口のシャベルパス失敗へ追い込んでターンオーバー!
残り8分19秒、勝負所を迎える。
O#陣からこのシリーズに賭ける意気込みが伝わってくるようだった。
また、スタンドも「ここが勝負所」というのが分かっていた。
#34橋本のランで11yds、#1呉田へのパスで13ydsと立て続けにダウン更新を奪うと、
ホールディングの反則で罰退した後の1 and 20でTE#95荒木への12ydsパスがヒット。
さらに#1呉田への7ydsパス、#33山本の2ydsダイブが出てダウン更新。
#34橋本へのピッチで5ydsをゲインすると、TE#5森が掬い上げるような好キャッチで11ydsをゲイン。
これで敵陣22ydsとし、#34橋本の6ydsランの後で向かえた4 and FG。
ここを#17砂原が32ydsキッチリと決めて19-8!
本当に貴重な「3点」を追加する。
 
-最後もディフェンス-
キャッチアップの法政O#だったが、立命D#の壁は厚かった。
#29原のランを4ydsのロスタックルにしとめると、
LB#53相馬がインターセプト!これで完全にとどめ!
 
結局最後のオフェンスドライブ中に時計がゼロになることはなかったが、
法政の攻撃を凌ぎきって4年ぶりの甲子園ボウル制覇・学生日本一達成!
 
表彰式には主将#44浅尾をはじめ、副将#52海島(希)、#4町、#62西川、
総務の羽田、主務の渋田がトロフィーを受け取る。
そして個人賞の発表。
チャック・ミルズ杯は#26松森が受賞。
甲子園ボウルMVPとNFL特別賞は#12今西(亮)が受賞!
ディフェンスの選手では史上2人目。DBでの受賞は初という快挙となった。
 
インタビューで「あと一試合!」と語った古橋監督。
主将の#44浅尾はファンへの感謝の気持ちを口にした。
 
エール交換が終わると、古橋監督、そして#44浅尾が宙に舞った。
 
 
試合を振り返って
この試合は単純明快。
ディフェンスとスカウティングの勝利だったと思います。
要注意人物だった法政RB#29原をほぼ完璧にシャットアウトし、
実質ディフェンス陣が取られた点はゼロ。
D#陣の中でもMVPに輝いた#12今西(亮)の活躍は特筆モノ。
インターセプト2本で法政O#からパスの選択肢を奪い取り、
ランプレーでも再三の好タックルを見せていました。
全てのDL、LB、DB全てのポジションが素晴らしい働きをしていましたが、
中でもDBユニットの活躍は今季最高のものだったと思っています。
恐らく、ほぼスカウティング通りに守れていたのではないかと。
法政お得意のロンリーセンターや#29原のワイルドキャットにも
全く焦ることなく対応していたことがその証明でしょう。
スカウティングチームの働きが素晴らしかったと思います。
 
さて、ここからはかなり辛口モード。
まずはオフェンス。
最初に点を取った3回のドライブに関しては、良い内容だったと言えます。
しかし、2本目のTDは#12今西(亮)のインターセプトによるものでした。
今シーズン言い続けているように、オフェンスは好不調の波が激しすぎです。
KG戦の最初のドライブやビクトリードライブ。そして今回も同じように
素晴らしいドライブをする時は何やっても上手くいきます。
しかし、ダメな時はとことんダメ。
今回の試合がいい実証になったでしょう。
スリーアンドアウトを繰り返し、フィールドポジションで次第に悪くなり、
挙句の果てにはパントブロックでTD献上。
完全にオフェンスの責任です。
それも#11松田(大)の集中力・出来に掛かっているところが大きいですね。
30回試投、21回成功、199ydsの2TDという数字だけを見れば、
申し分のないように見えますが、要所要所でパスを決め切れていませんし、
相変わらずフラットゾーンへのパスは今ひとつで、WR陣のキャッチに助けられています。
逆にFB・TE陣のキャッチミスも散見されたことが、
QB#11松田(大)を波に乗せることが出来なかった一因とも考えています。
イージーなキャッチミスは#11松田(大)に大きな精神的ダメージを与えていますね。
 
次にキッキングチーム。
K#17砂原とキックオフカバー・パントカバーチームは評価できるでしょう。
ここへきて#17砂原のキックには安定感が出てきましたし、ライスボウルも期待です。
カバーチームも#19田原、#18細谷、#29今西(亘)などがいい動きでした。
逆にSNP#67岩田、P#3尾崎は反省点が多い気がします。
#67岩田はこの日は珍しくスナップが安定せず、#3尾崎がかなり蹴りにくそうにしていました。
持ち変えることでパントを蹴るタイミングが遅くなり、ブロックされてしまいましたね。
ただ、#3尾崎に関してはパント合戦になったときに好パントを繰り返していたこともあるので、
「蹴ってくれれば安心」とも思っています。
ポイントキックのチームはブロックが最重要課題。
KG戦でも危ない場面がかなりありましたし、今回も法政の選手にぶち破られています。
これでは電工を相手には戦えません。
#17砂原をしっかり守って、キックを成功に導いて欲しいと思います。
 
最後に立命館大学応援団について。
今回は偶然応援団の真上のブロックに席を取ることができたので、
音に関しては全然問題がなかったのですが...
正直、今季最低レベルの応援。いや、過去5年の中でも最低レベルだったと思います。
問題となったのは曲の指示出し。
オフェンス時にディフェンスの曲をやったことが数回。
全くフィールドが見えていません。
世代交代の時期も近く、若手の団員がやったのかもしれませんが、「失態」ですよ。
やったら恥ずかしいと思わないといけません。
あんなレベルなら、僕をはじめレプリカ軍団のメンバーが指示出した方がいい応援ができましたよ。
立命館大学応援団はパンサーズ応援の中心であり、「プロ」なわけです。
その辺りの意識が欠けているのではないかと思いました。
これに関しては、試合後団長に直訴したので、ライスボウルでは改善されていることを願います。
 
 
 
このゲームのスターター
Offence Deffence
TE 5 森 正也 4 DE 92 前田 和律 4
LT 56 市川 千裕 2 DT 90 久司 大貴 4
LG 73 余合 聡法 3 DT 30 南 奎光 2
C 62 西川 裕亮 4 DE 57 武知 大樹 4
RG 59 淺野 匡洋 3 LB 52 海島 裕希 4
RT 77 真田 康人 3 LB 99 岸本 裕輔 4
WR 31 常包 雄一 4 LB 53 相馬 明宣 3
WR 1 呉田 達哉 2 CB 13 滝澤 輝久 4
QB 11 松田 大司 3 FS 4 町 健太郎 4
FB 41 姉川 和章 4 SS 12 今西 亮平 4
TB 26 松森 俊介 4 CB 24 毛利 賢二 4
K 17 砂原 伸一郎 4 P 3 尾崎 健人 3
次の試合
泣いても笑っても最後の試合!
「Dead or Alive」のPANTHERS2008劇場・最終幕はライスボウル!
相手は前年度王者・パナソニック電工インパルス!
立命OBが多くいる電工だが、遠慮はいらない。思いっきりぶつかるのみ!
自分達の力を信じて、最後まで戦い抜く!
そして、ファンの皆様は今季最高の応援を!
 
みんなで東京ドームをRits' HOUSEに!
そして、浅尾を日本一の主将に!
 
'08・春シーズンの観戦記
秋・第1回 「開幕」
 
秋・第2回 「苦悩」
 
秋・第3回 「迷走」
 
秋・第4回 「変化」
 
秋・第5回 「覚醒」
 
秋・第6回 「苦闘」
 
秋・第7回 「奪冠」
 
秋・第8回 「王座」


i-modeからの試合速報です
関西学生アメリカンフットボール連盟HP。
公式記録はこちらで確認して下さい。
 
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