第10回 力の差 PANTHERS
2004
DATE 2005 Jan 3rd(Hol)
PLACE TOKYO DOME
SCORE
  1Q 2Q 3Q 4Q
PANTHERS 0 0 0 7 7
IMPULSE 7 3 3 13 26
得点経過
1Q 13:25 #20石野Run 26yds TFP#9太田Kick
2Q 1:48 #9太田 34yd FG  
3Q 5:49 #9太田 20yd FG  
4Q 6:07 #9太田 24yd FG  
7:54 #9太田 39yd FG  
  8:09 #11木下Kick off Return 97yds TFP#21岸野Kick
  10:03 #7高橋(公)Run 1yds TFP#9太田Kick
STATS
  PANTHERS IMPULSE
Touch Down 1 2
1st Down 回数(ラン-パス-反則) 8(--) 20(--)
P-A-T 1point 1/1 2/2
2point 0/0 0/0
総獲得yds 86 374
攻撃回数 40 84
平均yds 2.15 .
パス 獲得yds 91 212
成功/回数 12/26 20/31
成功率 .% .%
被インターセプト 4 0
ラン 獲得yds -5 162
回数 14 53
平均yds . .
FG 成功/回数 0/0 4/7
反則 回数 3 5
喪失yds 18 40
3rd Down Comversions / /
4th Down Comversions / /
Ball Possesion 17:32 42:28
観戦記

このチームで最後の戦いを東京ドームで迎えたパンサーズ。
目標として掲げた「Over The Top」まであと一つ。
相手は10年前のライスボウルでパンサーズに立ちはだかった松下電工。
これまでのライスで最強の敵に、パンサーズがぶつかっていった。
3連覇がかかった一戦、筆者はRBCの音声実況の解説のためフィールドに居た。
 
-やられた-
練習の時にまず気が付いたのが立命のジャージの色。
なんとマルーンである。普段のライスなら学生がアウェイユニフォームと思っていただけに、
立命ホームユニフォームには驚かされた。
そして試合前のベスト11紹介。
まずは松下電工からの入場だったのだが、そこで電工の粋な計らいにしてやられた。
電工のベスト11として出てきたのは、
#21小路、#13山中、#6片平、#59三輪、#31樫野、#22下川、#88門脇(登場順)の
立命OB7人をはじめとした11人。
わざと立命OBを揃えてきた電工の演出に、立命スタンドは盛り上がり。
  筆者は事前にベスト11の登場リストを見ていたにも関わらず、これに気が付かなかった。
  この時すでに放送は始まっていたのだがベスト11に触れることができなかった。
そしてパンサーズの入場
#44齋藤を筆頭に#75伊部#23古川#50佐藤(徹)
#57岩崎#27福島、#10田中(亮)、#99紀平(充)#11木下(典)
#7長谷川、そして最後に#21岸野が入場した。
コイントスは立命が勝利、しかし#21岸野が後半チョイス。
立命戦士がフィールドへ飛び出し、このチームで最後のオクラホマスタイル
最後の戦いへ気合いを入れた。
 
-いよいよ開始-
K#30澤和のキックオフから試合がスタート。
電工ファーストシリーズ。まずは#22下川へのパスが3yds程のゲイン。
続く#1小林のランプレーも#5内田、#10田中(亮)がタックルして1ydsほど。
3rd and ロングが残ったが#86の野口へ巧くパスを通されてダウン更新を許してしまう。
その後は#2霊山へのパス、#17高橋(幸)のスクランブル、
#33粳田のランなどで立命陣内へ。
しかし#10田中(亮)が2nd downの#20石野へのタックルに続いて、3rd downでパスカット!
まずは電工のオフェンスを止める。
電工のパントを#81本多がキャッチして、立命自陣17ydsからファーストシリーズ。
まずは#88大滝へのクイックパスを通して8ydsのゲイン。
しかし2nd down、3rd downと進めず。ダウン更新もできずにパントとなる。
ここで立命最初のミス。
パントのスナップが良くなく、P#19片山の前でバウンド。
しかし電工のラッシュもそれほど入らず、#19片山が落ち着いて蹴ってボールはストップ
電工のオフェンスとなる。
 
-先制は電工-
電工2回目のオフェンス。QBは#7高橋(公)
まずは#15丸山へのパスが失敗となるが、2nd and 10で#31樫野が
SEの位置からDelaware Sweepで8ydsゲイン。
さらに#33粳田のランでダウン更新をされると、じりじりとオフェンスを進められる。
3rd and ショートでも#20石野に上手く抜けられ再びダウン更新。
しかし、その後はなんとかディフェンスが頑張りFGへ。
電工K#9太田の48ydsFGトライ。しかしこれは右にそれて失敗!
先制のピンチを間逃れる。
FG失敗で立命は自陣30ydsからの攻撃。
#7長谷川へのパス失敗、#23古川へのスイングはノーゲイン、
さらにQB#11木下からへのプレーはOL崩壊で電工DL陣が#11木下へ襲い掛かる。
あっという間に3アンドアウト。
そしてミスは連発する。
パントのスナップが乱れてボールはエンドゾーンへ。
なんとか#19片山がキャッチして蹴り出したが、距離は稼げず。
  「蹴っただけでも#19片山君のナイスプレーですよ」と冷静に言ったものの、
  正直この時はセーフティ献上かと冷や冷やした。
パント時のミスで立命陣27ydsからの攻撃権を得た電工のファーストプレー。
中央を抜けた#20石野が#32河合のタックルを振り切りTD。
電工に先制を許してしましまう。第1Q13分25秒、0-7。
 
-苦しいオフェンス-
返しの立命オフェンス。ここも苦しい。
#3渋井→#23古川→#81本多へのリバースも#13山中が冷静な判断でロスタックル。
  筆者はここでも敵を誉める「今のは#13山中選手が止まって良く見てましたね」と
  #13山中の好判断だったことをアピール。
続いて#12池野のパス失敗。そして3rd and 17で#11木下がなんとクイックパント。
しかしこれが電工にチップされたのか、ミスパントに終わってしまう。
再び電工は敵陣からの攻撃。
まずは#97浮田が#20石野をロスタックル。#27福島のもう少しでインセプというパスカット。
3rd and 11となるが再びパスをヒットされダウン更新されてしまう。
ここで第1Qが終了。なんとも早い展開。ここまで立命はほとんど攻撃していない。
 
-耐えるディフェンス-
第1Qから続く電工のシリーズ。しかしここはディフェンスが奮起。
DL陣が踏ん張り、#59谷野のナイスタックル、そして電工の反則もありFGへ。
#9太田に34ydsのFGを決められ0-10とリードを広げられる。
#23古川のリターンで自陣23ydsからの攻撃。
まずはQB#11木下(典)から#81本多へのパスで2ydsのゲイン。
QB#12池野に戻して#44齋藤のランは1yds。
3rd and 7は#11木下へパスをヒットさせこの試合始めてのダウン更新。
しかしこの後が続かず。
QB#11木下が左手でパスを投げる振りをしながら#23古川へハンドオフするプレーも、
電工#6片平が入ってきてロスタックル。
そして再び#11木下(典)のクイックパント。今度は上手く飛び、
敵陣8ydsほどまで戻すことに成功する。
しかし、電工オフェンスは着実に攻撃を進めてくる。
#2霊山へのパスや#20石野のランでダウン更新。
#97浮田が体を回転させながら電工OLを交わしてQBサックを見舞うが、
ここの3rd and 10で#22下川がスーパーキャッチ!
大きく立命陣内へ入られてしまう。
  これには筆者も解説で「ゴッドハンドですね」と絶賛。
  立命OBの活躍は嬉しいようで悔しいようで...
しかしここからは電工オフェンスを進ませず。再びFGへ。
3回目の#9太田のFGだが、今度は左へ逸れて失敗!
危ない場面を失点なしで切り抜ける。
 
-しかし-
オフェンスが進めない。再び3アンドアウトとなってしまう。
電工は再び立命陣からの攻撃。ずっとフィールドポジションは悪いままだ。
1st and 10で#43橋本が電工OLをブロックして穴を塞ぎ、
#10田中(亮)が#1小林をロスタックルするナイスプレーがあったが、
2nd and 10で#81塚崎へパスを通されダウン更新。
さらにまたしても3rd and 6でパスを通され、じわじわと電工オフェンスに進まれてしまう。
しかしこの後電工QB#7高橋(公)が投じた2回のパスは失敗。
残り22秒、電工再び#9太田のFGトライ。今度は39yds。
今度は...右へ逸れて失敗!なんとか首の皮一枚繋がった状態である。
そして残り17秒、前半最後の攻撃。
#12池野のキープが17ydsほどのゲインとなってダウン更新。
ここで立命タイムアウト。
解説でも言ったのだが、ここでどんなプレーをするかは見ものだった。
しかし、立命のプレーは正直トンでもないものだった。
#12池野から#23古川にパスが成功し右サイドへ。ここまでは良かった。
しかし、#23古川は誰もいない場所へバックパス。
これを電工#13山中が拾ってターンオーバー。
  この時「これは危ないですよ」と解説していた筆者だが、
  心の中ではそんな余裕はない。いつもの場所に居たら
  「何やってんだコラー!」と叫びそうな勢いである。
しかしこの時に時計はゼロになり、なんとか0-10で前半終了。
  オフェンスが全く進めていないのは厳しいが、電工は3回もFGを外している。
  後半は立命スタートだから面白い。
  しかも0-10の後半リターンは98年関学戦を思い出す、などの思い出話も持ち出し、
  なんとか一発でTDを取れば、学生の勢いでなんとかなるかもしれないと解説したのだが...
 
-後半-
後半のキックオフ、まずは大きくリターンしたいところだが、
#23古川が見逃してアウトバウンズへ。蹴り直しかと思ったら
何と#23古川がボールに触れていたという判定。
後半のリターンから勢いを付けたいと思っていただけに、出鼻を挫かれた印象。
前半と変わらず最悪のフィールドポジション、自陣5ydsからの攻撃。
まずは#11木下(典)へのタイミングパス。しかし#11木下(典)が取れず。
  この時筆者は「#11木下君が今のようなパスを落とすなんて珍しい」と言ったのだが、
  前半最後の辺りから#12池野の調子に疑問を持ち始めていた。
  実況席がフィールドに設置されることになったために、
  モニターで全てのプレーを見ていたのだが、モニターで見るとこの日の#12池野は
  「思い切りよく投げ込んでいる」ように見えたのである。
  しかし、このプレーで「ひょっとして...」と思ったのだが、試合後の観戦仲間との会話で
  この日の#12池野の調子が最悪だったということを確認できた。
しかし、電工の反則もあり自陣15ydsへ。そしてここへスペシャルプレー投入。
ハンドオフを受けた#21岸野が右サイドから中央にいる#11木下(典)へラテラルパス。
パスを受けた#11木下(典)が右サイドへ上がってダウン更新!
オフェンスはこれからという雰囲気に少しなったのだが、
ここで電工ディフェンスが襲い掛かってきた。
#12池野が#13山中にロスタックル被弾すると、#7長谷川へのパスもフレッシュには距離が足らず。
ファーストシリーズはパント。
そしてここで再びミスが起こる。今度はスナップがホームラン。
電工#21小路がラッシュしてくるところを#19片山がなんとか蹴り出してセーフティにはならず。
  ここもNHKのリプレーを見れば分かるが#21小路は最後流しているようにも見える。
  本気でブロックにいけば恐らくセーフティになっていたはずである。
電工は立命陣34ydsからの攻撃。
#1小林がランでダウン更新すると、右にWRを縦に3人並べるフォーメーションからのパスプレー。
これでエンドゾーンまで残り6yds。
しかし、ここもディフェンスが奮起。
#99紀平(充)がQB#7高橋(公)・RB#44荒木を腕一本ずつでタックル!
  このプレーには思わず「ウオー!」と叫んでしまった筆者。
  「学生レベルを超えてますね」とまでに絶賛するほどの強烈なプレーだった。
2nd to 8ではFBの位置に入った#13山中がキャリー。
これを#32河合がなんとか止めて残り1yds

今度はエンドゾーンを破られるかと思った3rd to 1。
右サイドからもの凄いスピードで入ったDE#97浮田が
#20石野を後ろから捕まえてロスタックルしエンドゾーン死守!

  このプレーにも「#97浮田君凄いスピードで入ってきましたねぇ」と驚嘆。
DL陣の奮起で電工はFGへ。
ここは#9太田に決められて0-13とリードを広げられてしまう。
  しかしここは7点を失わなかったことが大きかったと解説。
  「この#97浮田君のロスタックルはかなり大きいですよ」とディフェンスの奮闘を称えた。
 
-しかし-
次の立命のオフェンスシリーズ、#11木下(典)へのパスで8ydsのゲイン。
3rd and 2で何と立命ロンリーセンターの構え。
  「ロンリーセンターですねぇ」と言ったところで電工がタイムアウト。
  このタイムアウト中にロンリーセンターの説明。
  あんまり難しいことを言ってはと思ったがダメだったのか、
  上手く説明できずに自分でも混乱凹
  「どんなプレー出すか楽しみですよ」とその場をしのぐ(笑)
しかし、#11木下(典)からパスを受けた#21岸野は電工ディフェンス陣に止められ
スペシャルプレー失敗。結局3アンドアウトとなった。このパントは上々。
タックルに行った#14藤本、#28國枝がリターンを許さなかった
 
-ミスは続く-
その電工のオフェンスシリーズ。
ここは#4河村のロスタックル、さらに#56岡本が#33粳田を仕留めて
この試合初めて電工を3アンドアウトに追い込んだ。と安心したのも束の間。
4th and Pの時に#2田中(辰)が電工P#9太田に当たってしまい
ラフィングザキッカーの反則。
  この時はイヤな空気になるのが明らかに分かった。
  解説でも「せっかく3回で電工オフェンスを止めたのに、またディフェンスしなくてはいけない」と
  ディフェンスの心理面について触れた(気がする)
これで15ydsの罰退でオートマチック1st Down。
この後もWR縦3人のフォーメーションからパスを決められ、立命陣内へ侵入される。
ここでも#97浮田がリバースフェイクからのパスを投げようとした
電工QB#17高橋(幸)に襲い掛かるのだが、ちょっとスルー。
結局#10田中(亮)がロスタックル
#97浮田がQBサックできずに頭を抱えていたのが印象的だった。
これでディフェンスに勢いが戻ったか、結局電工のオフェンスはパントへ。
タッチバックとなり自陣20ydsからの攻撃となる。
 
-う〜ん-
まずは#12池野がスクランブル、そして#26和田へのパス
電工#6片平がもの凄いスピードで突っ込んできてほとんどゲインなし。
  筆者ここでも「#6片平選手凄いですねぇ」と立命OBならとにかくOK状態。
  たしか現役時代はLBで#5だったみたいなことを話したはず。
3rd and 2は#22佃が走ってダウン更新。この試合初めて3rd Down コンバージョン成功。
次のプレーは電工DLの猛烈ラッシュにあい、大幅なロスタックルと思いきや
電工にフェイスマスクの反則があり15ydsの罰退。
波に乗りかけてきた立命はここで勝負をかけた。
そしてこれがこの試合を決定付けたプレーだった。
#12池野からハンドオフを受けた#22佃が一度は右へ。
しかし引き返して#12池野にバックパス。
「フリーフリッカーですよ!」筆者は叫んだ。
そして#12池野がパスを放つ。その先には#11木下(典)!
しかしボールは電工CB#16野村がキャッチしインターセプト。
スペシャルプレーを最悪な形で止められてしまった立命。
そして、ここから立命のターンオーバー地獄が始まる。
 
-凄い!-
インセプからの電工オフェンス。
まずは#5内田が外に内にと神出鬼没の動きで2nd downまでを止めると、
3rd and 5では中央から#56岡本がQBサック!
  これは筆者も絶賛したプレーでフリーで入っているとはいえ、
  「一回生でこのレベルというのは本当に凄い。これからの立命DLを背負う存在」と太鼓判。
ディフェンスの踏ん張りで、ターンオーバーからの電工オフェンスを防いだ。
 
-第4Qへ-
電工ディフェンスを打ち破れない立命オフェンス。
#21岸野へのパス失敗、#12池野のスクランブルもロスゲイン。
さらに投げ捨てがインテンショナルグラウンディングの反則を取られ大きく罰退。
少しでも進むどころか大きくロスしてパントになってしまう。
しかしこのパント、#14藤本が素早いタックルで電工にリターンを許さず。
それでも立命陣43ydsという苦しいポジションでディフェンスを強いられる。
 
-必死のディフェンス-
電工は#17高橋(幸)が戻ってのオフェンス。
#1小林のラン、#22下川へのパスでダウン更新すると、
再びWRを縦3人並べてのパスプレー。これを止めることができない。
続く#33粳田のランはディフェンスの集まりが早く、ノーゲインに抑えられたが、
ここで#99紀平(充)が負傷。このシリーズは#97浮田、#17黒田と負傷が相次ぐ。
4th Down ギャンブルを決められた後の1st and 10。
ここでエンドゾーンへ放たれたパスを#13三宅がナイスカット。
さらに#33粳田のランを#32河合がストップ。#2霊山を#13三宅がタックルしここもFGへ。
#9太田が24ydsのFGを決めて0-16。逆転するにはTD+2Pointが2回必要。
正直「厳しいかな」と思い始めたのはこの頃だ。
 
-遅すぎた反撃-
キックオフを#23古川がリターン。
自陣27ydsからの立命の攻撃。しかし、そのファーストプレー、
#12池野が放ったパスを#13山中がデフレクト。宙に上がったボールを電工#3井上がインターセプト。
もう完全に悪い方向へ悪い方向へ進んで行っていた。
しかしディフェンスが踏ん張った。
#10田中(亮)が中央を抜けてくる#1小林を3ydsほどのゲインに止めた。
3rd and 7でもパスを受けた#86野口を#27福島・#10田中が必死のタックル。
再びFGトライへと持っていった。
電工#9太田が39ydsのFGを成功。これで0-19。かなり厳しい点差になった。
そしてキックオフ。その瞬間、東京ドームが驚愕のプレーを目の当たりにする。
#11木下(典)は自陣3yds地点でボールをキャッチすると、
ブロッカーを上手く使って電工カバーチームをすり抜けた!
そうなると#11木下(典)のスピードに追いつける者はいない。
そのままエンドゾーンへ駆け抜け97ydsのキックオフリターンTD!
  その瞬間は実況席でも絶叫!
  解説していた筆者も思わず「これはスゴイ!」と叫んだほど。
  「しかも#11木下(典)君が決めたポーズは、甲子園ボウルの後半最初のキックオフで
  法政の#29伊藤君が決めたのと同じポーズですね!」と
  恐らくこんな余分な知識を紹介するのは自分くらいだろうと思うような余談を
  思い切り興奮しながら話してるんだから筆者もかなりテンションが上がったのだろう。
  「本当に凄いスピードです」と諸手を挙げて絶賛した。
この時ばかりは立命スタンドも大盛り上がり。
この日初めて「グレーターショート」が東京ドームで鳴り響いた。
しかし、それでも7-19。反撃をしかけるには、ちょっと遅かった。
 
-勢いに乗れない-
直後のキックオフ。#30澤和のキックはいい感じで上がったのだが、
カバーチームがボールを追い越してしまいキャッチできず。
しかも電工#4奥村に大きくリターンされてしまう。
ここから今度はディフェンスが踏ん張れず。
#1小林のランで8ydsほどゲインされると、続く#15丸山へのパスプレーで
フェイスマスクの反則。これでエンドゾーンまで残り3yds。
#20石野へのピッチプレーは#9塚田が渾身のタックルでエンドゾーン死守するものの、
最後は#7高橋(公)に右サイドをまくられてダメ押しのTD。7-26で残りは4分57秒。
 
-地獄の時間-
今度のキックオフは#23古川がほとんどリターンさせてもらえず。
さらに#12池野のパスがチップされて電工LB#48中川がインセプ!
この試合4度目のターンオーバーを喫する。
しかしここで再びディフェンスが奮起。
#13三宅がCBブリッツで#20石野を止めると、
パスを受けた#22下川を#27福島が素早いタックル。
3rd downは#17高橋(幸)が躓いてロス。
電工は陣地と得点の余裕があるため、ここでギャンブル。
しかしここはしっかりと止めたディフェンス陣。
残りは2分33秒。なんとしても一本は返したい。
#12池野のスクランブルは2yds。#11木下(典)へのパスは失敗、しかし3rd and 8で
#7長谷川へこの日初めてと言ってもいいほどのロングパスが決まりダウン更新。
さらに#11木下(典)へ10yds程のパスがヒットして連続ダウン更新。
  ここでしっかりとノーハドルでプレーするオフェンス陣は「良いですねぇ」と誉めていた。
  時間もない状況下で選手それぞれが冷静に判断できているのだと思っていたのだ。
しかし、次のプレーでパスを失敗したことで勢いが途切れてしまう。
タイムアウト後の1st and 10、左へロールした#12池野がパスのモーションへ。
その右腕に手を伸ばした#13山中。ボールは力なくふらふらと宙に舞い、
再び電工ディフェンスの腕の中へ。
LB#10東のインターセプト。これで万事休す。
電工最後のオフェンスは#20石野のランがビッグゲイン、続いて#1小林のラン。
そして最後のプレーは主将#44荒木のランプレーだった。
  ちなみに最後のプレーの後、筆者は残りが12秒であることも忘れて
  「電工は年齢が高い選手(つまりはオッサン)が頑張ってますねぇ」などと
  他愛もない話をしていた。
  そして実況の子が「ここで試合終了〜」と残念そうな声をあげた時に
  試合が終了したことに気が付いた。
 
試合後の表彰式。#21岸野は悔しそうな表情で表彰状を受け取った。
そして一列に並びスタンドへ挨拶
最後のハドルで古橋HCが選手達に声をかけた
点差以上の完敗。
完璧な試合運びをした松下電工。今回ばかりは「オッサンパワー」を見せ付けられた。
そして自分達のいいところを出し切れず、最後は自滅したパンサーズ。
2004年のパンサーズ最後の試合を勝利で飾ることは出来ず。
「3連覇」の夢は叶わなかった。
 
  試合後は手短に「相手は実力が上なんだから、その相手に完璧な試合をされて、
  こっちはあんなにミスをしたんだから当然の結果。電工は強すぎた。
  でも、最後まで自分達のプレーを楽しんだパンサーズはよくやりました」とまとめ。
  最後は実況をした子達と記念撮影をして人生初のアメフト解説は終了した。

試合を
振り返って
もう完敗でしたね。
この日の電工とパンサーズでは10回やっても10回負けると思いましたよ。
それだけ電工は完璧な試合をしましたし、立命は酷い内容でした。
力で劣勢な上に、何度もミスしたら勝てるはずもなし。
逆にパンサーズが勝つには、こっちはノーミスでいった上に
電工にミスやターンオーバーをさせなくてはいけなかったのに。
相手に完璧に試合をされては勝てるは確率ゼロ。
まさかライスボウルで辛口観戦記書くことになるとは思ってもいなかったですよ。
ということで、今回久々に辛口です。前もって宣言しておきますのでご了承下さい。
 
今回素晴らしかったのはもちろんディフェンス!
常に苦しい位置でのディフェンスだったとは言え、
電工オフェンスを7度もFGへ追い込んだのは見事!
しかも#9太田の調子が悪かったとはいえ、長い距離を残したために
3回もFGを外させましたからね。
ディフェンスの個人的MIPは#10田中(亮)!RBCの音声中継でも時絶賛でした。
立命DLが電工OLとイーブンだったので、ランプレーは#10田中(亮)と#9塚田の
出番が多くなるだろうと言っていたんですが、#10田中(亮)の動きは凄かった!
中央のプレーにはほとんど絡んでましたね。
パスプレーの場合もしっかりと下がって対応してましたからね。
#9塚田もいい動きでしたねぇ。ゴール前をもの凄い当たりで
止めたプレーは素晴らしかったですよ。
#5内田も外への動きにはしっかり対応してましたね。
この日LB陣3人は大活躍ですよ。
DL陣も素晴らしかったですねぇ。
あの電工OL陣を相手にほぼ互角の勝負をしましたからね。
特にDE#97浮田は驚異的な動きを見せてましたね。
圧巻だったのはゴール前の3rd to 2。押し込まれたら終わりというところで、
もの凄いスピードで#20石野をロスタックルしましたからね。
それにパスラッシュも凄かったです。
#99紀平(充)も“アリエネー”プレーありましたね。
思わず「凄い!」と言ってしまったのが#17高橋と#44荒木を同時にタックルしたプレー。
完全に圧倒してましたね。
#56岡本も一回生ということが信じられないくらいのプレーでしたね。
本当に末恐ろしい。来年から立命DLの中核をなす選手でしょう。
ディフェンス全体としては
やはり3rdダウンの場面で何度もパスを通されてしまったのが残念でしたね。
あとはタックルミスが何度もあったこと。こればかりは電工選手の巧さもあったんですが、
ミスが致命傷になっているだけに、痛かったです。
個々ではいい動きをしている選手もいたんですが...
電工オフェンスは「しっかりと堅実に」プレーを遂行してましたね。
ブロッキングに関してはほぼ完璧だったでしょう。
ブリッツに入った選手も確実にピックアップされ、ダウンフィールドでのブロックも完璧。
電工オフェンスの巧さを見せ付けられました。
とはいえ、26点に抑えられたのはディフェンスの奮闘によるものです。
この日のディフェンスは「良くやった」と胸を張れると思います。
 
残念だったのがオフェンス・キッキング・コーチ陣ですか。
散々いろんなところで言われてますが、やはり僕も書いておこうと思います。
まずはオフェンス。
予想通りやられまくりました。これは試合前から予想できてたことです。
でもね、正直「手も足も出ない状態」になるとは思ってなかったですよ。
むしろ自らそういう状態に追い込んだようなものですしね。
OLがずっと劣勢を強いられましたね。というか電工DLは怪物揃いですよ。
あんな強力DLは過去2年のライスをはるかに上回ってましたし。
立命OLが例年より弱いというわけではなく、電工DLが強すぎたということですね。
一番予想外だったのはQB#12池野でしたねぇ。
僕は試合中ほとんどNHKの映像&バックスクリーンを観ながらの解説だったのですが、
モニターで見ると「投げ込んでいる」ように見えたんですよ。特に前半は。
(時々「??」というパスもあったので半信半疑だったのですが)
ですが、試合を終わってから観戦仲間やいろいろな方に聞いてみたら全く逆の意見。
「ボロボロやったわ」「全然や」という意見ばかりでした。
家に帰ってビデオを見たんですが...ボロボロでした。
正直プレーオフ、甲子園よりも酷かった気がします。
後半のインセプも...電工DLのラッシュがあったとはいえ、3回連続はありえないでしょ。
展望でも言っていたように今回のライスは#12池野の出来が大きく左右すると言ってました。
その意味では一番期待している選手だったんです。
でも電工DLのラッシュにやられてしまいましたねぇ。残念でした。
RB陣、正直何もさせて貰えませんでした。
過去2年のライスもランが出てなかったんですが、この日はそれ以上でしたね。
#21岸野、#23古川、#44齋藤と4回生が多かったので、
彼らのいいプレーを見たかったのですが...
WR陣も#11木下と#7長谷川が徹底マークにあい、厳しかったですね。
#7長谷川は後半になってやっとパスが通った感じでしたし。
オフェンス全体としてはいつものプレーを出せなかったことが全てですね。
 
キッキングは...まぁあれだけミスしてはどうしようもないですよ。
ビデオを見返したんですが2回目までのスナップミスは#58坂根。3回目は#50佐藤(徹)。
いつもは出来てたスナップがあんな状態になるとは思ってもいませんでした。
雰囲気に飲まれてたのか、ディフェンスを気にしすぎたのか...
2回目のスナップミスをした後に#58坂根は交代しています。
ケガでもあったんでしょうか?気になりますが最初の2回は確実に流れを悪くしましたね。
3rd ダウンパントですが、策としては良かったんですが、
1回目は電工DLに完全にやられてましたよね。
ミスパントだったかチップされたかはわかりませんが、出しどころを間違えた気もします。
良かったのは3点。#14藤本はもの凄いカバー早かったですし、
P#19片山はあのスナップミスからよく蹴りましたよ。それだけでもGJ。
あとは#11木下(典)のキックオフリターンTDがあったのが救い。
あの時はブロックも良かったですしね。
それにしてもあのリターンTDは凄かったですね。実況席も絶叫でした。
ああいう場面でしっかりTDが取れる#11木下(典)の潜在能力の高さを証明したプレーでしたね。
ちなみに、これは音声実況の解説でも言ったんですが、
#11木下(典)がTDを決めた時に決めたポーズは甲子園ボウルの3Qで
法政#29伊藤がキックオフリターンTDを決めた時と同じものでした。
#11木下(典)は意図的にやったんでしょうね。魅せてくれます。
 
コーチ陣ですが、「策士策におぼれる」at観戦仲間での新年会
ディフェンスは電工の縦3人並ぶフォーメーションの対策を立てれず終い。
3rd ダウンでのパスカバーももう少しなんとか対策を出せたはず。
結局この2つがディフェンスの最大の弱点でしたね。
オフェンスも今回の作戦的には失敗だった気がしますね。
ロンリーセンターも電工にタイムアウトを取られた時点でプレーコールを変えるべきでしたね。
#11木下(典)は笛がなる瞬間に左へのパスのモーションをしてるわけですし。
それをそのままやってしまってはロスタックルも当然。
インサイドスクリーンもいいアイデアでしたが、電工ディフェンスのラッシュが凄すぎでした。
唯一「当たったか!?」と思ったのがフリーフリッカー。かなり期待したんですが、
電工CB#16野村にやられましたね。あとパスがリード過ぎだったのもインセプの原因。
オフェンスの作戦的には「凝りすぎ」だったような...
QB#11木下も結構多用してましたしね。
それだったらもっとQBを動かしても良かったのでは?
#12池野は得意ではないシステムですが、#11木下(典)でもできるし、
#3渋井をワンポイントで使ったのもそこを求めてのはず。
それにサイドへの展開もほとんどスイング系のパスでしたね。
得意のDelaware Sweepはほとんどなしでした。
電工DLに揺さぶりをかけるためにも横への動きは必要だったなと思います。
 
全体的にですが、やはりライスでは気迫に欠けていたと思います。
フィールドからはいつものパンサーズのように見えたんですが、
やはりピークにはなかったということなんでしょうか。
ちょっと集中が足らないようなプレーもありましたし。
その辺りは関西学生リーグ&プレーオフを戦ってきた後なので
調整が難しかったのかもしれません。
 
松下電工はホンマ「最強」でしたね。
破壊力バツグンのディフェンス。
確実にプレーを遂行してきたオフェンス。
立命OBが活躍したのは立命ファンとしては嬉しかったですが...
#13山中はディフェンスでは2回もパスデフレクトしてましたし、
オフェンスではFBからゴール前1ydsまでキャリーもしてましたからね。
「敵にするには一番嫌なOB」に完全にやられました。
#58三輪さんもすっごいラッシュ。
#6片平も頑張ってくれちゃいましたね。あのロスタックルは
「どっから飛んできた?」っていうくらいでしたよ。流石立命#5の系譜。
#21小路先生はあんまり絡むようなプレーがなかったですね。
マッチアップも見たかったんですが...ちょっと残念。
#31樫野さんはRBの位置にいるよりはレシーバーの位置にいましたね。
まさか#31樫野さんのDelaware Sweepが出るとは。
#22下川さんも「スーパー」なキャッチしてくれましたね。
数的には立命DB陣が有利な状況(3対2)だったんですが、
体を倒しながらのスーパーキャッチ。あれはお手上げでした。
とは言えね、正直解説してる立場としても立命OBの活躍は微妙な心境でした。
ほとんどが学生時代を知っている選手だけに、いいプレーをすると嬉しいんですが、
パンサーズはやられてしまってるわけで...
 
厳しいことを書いてきましたが、最後にまとめ。
04年のチームとしては最後のゲーム。
負けてしまったのは残念だし、4回生にとってはいい思い出にはならなかったかもしれません。
でも最後までフットボールを楽しめたなら、それはオッケーだと思います。
「Over The Top」の目標。これは結果がついてきてこその「達成」と言える目標でしたが、
04年のチームが03年のチームを上回ったと言えることが絶対にあるはず。
それを見つけられたなら、「04年のチームは素晴らしかった」と言えるのではないでしょか。
ファンとしても、04年は「パンサーズを、関西学生を観ていて良かった」と思える一年でした。
もうシーズンは終わったと思った10・31、歓喜に沸いた12・4「雨の長居」
04年のチームは「応援しなきゃ!」と思わせるチームでした。
春から考えたら、ライスまで来れたことだけでも凄いことです。
04年もライスまで僕達ファンを連れてきてくれたパンサーズに心から感謝したいです。
ありがとうPANTHERS2004!
僕達はこれからもずっと応援し続けます!

STARTING
MEMBER
Offence Deffence
TE 7 長谷川 昌泳 4 DE 97 浮田 慶順 4
LT 50 佐藤 徹弥 4 DT 59 谷野 雄治 3
LG 64 大井 哲也 4 DT 99 紀平 充則 4
C 58 坂根 賢一 3 DE 57 岩崎 健一郎 4
RG 75 伊部 勇作 4 LB 10 田中 亮佑 4
RT 74 佐々木 隆哲 3 LB 9 塚田 昌克 3
SE 88 大滝 裕史 3 LB 5 内田 聡 4
QB 12 池野 伸 3 CB 27 福島 和敏 4
RB 44 齋藤 壽師 4 SS 13 三宅 剛司 3
RB 23 古川 宏 4 FS 32 河合 紀明 3
FL 11 木下 典明 4 CB 17 黒田 雅宏 3
K 21 岸野 公彦 4 P 19 片山 悠 2
REVIEW 第1回 「ホームBKCで開幕」
 
第2回 「危険信号」
 
第3回 「雨のち曇り?」
 
第4回 「決戦へ向けて」
 
第5回 「歴史に残る一戦」
 
第6回 「道は開けた」
 
第7回 「リベンジへ」
 
第8回 「Remember 12・4」
 
第9回 「関西のプライド」
 
第10回 「力の差」
 
 

i-modeからの試合速報です

ライスボウル 電工戦メンバー表です
関西学生アメリカンフットボール連盟HP。
公式記録はこちらで確認して下さい。
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