第5回 歴史に残る一戦 PANTHERS
2004
DATE Oct 31st(Sun)
PLACE KOBE UNIVERSIADE STADIUM
SCORE
  1Q 2Q 3Q 4Q
PANTHERS 0 7 14 7 28
FIGHTERS 0 14 10 6 30
得点経過
2Q 2:17 #44齋藤Run 1yds TFP#21岸野Kick
7:17 #10出原Run 1yds TFP#11小笠原Kick
11:09 #14河野Pass→#9福井 47yds TFP#14河野Pass→#68東井
3Q 4:10 #11小笠原Field Goal 32yds
4:48 #12池野Pass→#6前田 60yds TFP#21岸野Kick
  8:47 #28堀口Run 1yds #11小笠原Kick
9:24 #21岸野Pass→#11木下(典) 69yds TFP#21岸野Kick
4Q 9:05 #14河野Pass→#84五百川 23yds
  10:50 #12池野Pass→#88大滝 4yds TFP#21岸野Kick
STATS
  PANTHERS FIGHTERS
Touch Down 4 4
1st Down 回数(ラン-パス-反則) 23(--) 20(--)
P-A-T 1point 4/4 1/2
2point 0/0 1/2
総獲得yds 433 454
攻撃回数 58 59
平均yds 7.46 7.69
パス 獲得yds 333 194
成功/回数 21/35 11/17
成功率 60.0% 64.7%
被インターセプト 1 1
ラン 獲得yds 100 260
回数 23 42
平均yds 4.34 6.19
FG 成功/回数 0/2 1/1
反則 回数 11 6
喪失yds 72 40
3rd Down Comversions 4/8 4/10
4th Down Comversions 0/0 0/0
Ball Possesion 20:19 27:41
観戦記 3年ぶりの全勝対決。
第5節の時点で全勝は立命と関学のみとなり、京大は優勝争いから完全に脱落。
この試合の勝者が優勝へ大きく近づくことができる、大事な一戦となった。

-Rits House!-
コイントスが終わり、立命が前半レシーブを選択。
選手がフィールドへ飛び出し、ビッグゲームでの勝利の誓い。
「Who's House?」「Rits House!」がこだまする。
キックオフリターンは#23古川がキャッチしたものを#7長谷川へリバースするが、
関学の出足が早く、自陣25ydsからの攻撃となる。
 
-QB#11木下(典)!-
立命はいきなりしかけてきた。
フィールドにはスターターQB#12池野の姿はなく、
QBのポジションには#11木下(典)が入っていたのだ!
ファーストプレーはその#11木下(典)のQBカウンターでいきなりのダウン更新。
しかしその後の#21岸野のドローは関学ディフェンスの壁に遮られノーゲイン。
2nd and 10ではSEに入った#99紀平(充)へのパスを投じるが、
#99紀平がキャッチできずに失敗。
オフェンスのフォルススタートで罰退後の3rd and 15では#11木下(典)がスクランブルしたが、
関学ディフェンス陣にサックされてしまう。
ファーストシリーズ、#11木下(典)のQB起用で意表をついたように見えたが、結局は3アンドアウト。
この後の展開はこの時点で全く読めなくなっていた。
 
-関学のファーストシリーズ-
まずはQB#14河野を起用。
#84へのパスを通されるが、3rd and 3で#17黒田がナイスパスカット!
関学のファーストシリーズも3アンドアウトへと追い込む。

-先制のチャンス-
立命の2回目のオフェンスシリーズ。QBに入ったのはエース#12池野。
このシリーズ、この日の#12池野の調子の良さを見ることができた。
まずは自身のキープで6ydsゲイン
2nd and 4は関学のブリッツが入り5ydsのロス。
しかし#7長谷川へ12ydsのパスを通してダウン更新すると、
#21岸野へのスイングパス、#21岸野がそこからナイスランで15ydsゲイン
さらにハンドオフフェイクからのQBカウンターで11ydsのゲインと、
プレーに忠実なクォーターバッキングを見事に披露。
この後、WRの2度のフォルススタートで10ydsの罰退を強いられるが、
再びQBに入った#11木下(典)QBスイープが決まって23ydsのゲイン!
ここから#44齋藤のドロー、#12池野のキープでゴール前21ydsまで迫るが、
ここで狙ったK#21岸野の34ydsフィールドゴールは失敗。
7分近くを使ったドライブを得点に結び付けることはできなかった。
 
-まずはディフェンスにビッグプレー!-
関学の2度目のシリーズが始まったとき、第1Qはすでに残り2分を切っていた。
関学は#14河野のスクランブル、#28堀口のランでダウン更新。
ここで第1Qが終了する。
そして第2Qが始まっての最初のプレー、関学QB#14河野が放ったパスを
FS#32河合がインターセプト!
立命はハーフラインからの攻撃権を得る。
 
-よっしゃ先制!-
まずは#11木下(典)から#23古川へのパスだったが、これは1ydsのゲインに終わる。
しかし2nd and 9でQB#12池野にスイッチすると、#7長谷川へ13ydsのパス。
#11木下(典)へ11ydsのパスを通して連続ダウン更新。
さらに#12池野のキープで18yds一気にゲインし、敵陣6ydsと迫ると、
TE#91高橋へ5ydsのパスを通して残り1yds。
最後は#44齋藤が押し込んで先制TD!
まずは7−0とリードする。

-すぐ返す関学-
しかし、関学も黙ってはいない。
返しのシリーズ、関学のオフェンスが順調に展開される。
まず#14河野のキープで14ydsのゲインを許すと、#22のラン、
再び#14河野のキープで立命陣内へ。
QBを#10出原に替えてのキープはDE#57岩崎がロスタックルし-3yds。
しかし#6田中に大きくゲインされてゴール前2ydsへ。
ここから#6田中のダイブ、#10出原のスニークを抑えるが、最後までは堪え切れず。
結局2度目の#10出原のスニークで押し込まれて7-6。
TFPのキックは外れたものの、関学にTDを許してしまう。
 
-なぜ?-
関学にTDを取られた直後のシリーズ。
立命はQBに再び#11木下(典)を起用するが、3アンドアウトに終わる。
ここの#13三宅のナイスパントが飛び出し、関学自陣10ydsからの攻撃へと移る。
 
-ディフェンス崩壊-
前の関学のオフェンスシリーズも止められなかった立命ディフェンス陣。
このシリーズでも非常に苦しい展開となった。
#6田中のランでいきなり7ydsのゲインを許すと、#9福井へのパスが13ydsでダウン更新。
直後の1st and 10では#56岡本がナイスラッシュでパス投げ捨て。
さらに関学のフォルススタートで2nd and 15。
しかし、ここで完全フリーになっていた#81多田へ28ydsのパスが決まると、
立命陣48ydsから、右フェードを走った#9福井へTDパスがヒットし逆転を許してしまう。
2Pointを狙ったプレーも左TEへ入った#68東井へパスがヒットし7-14。
前半残り44秒からのオフェンスもFGを狙える位置までいかず。
結局はニーダウンしての前半終了。
先制したはいいものの、関学オフェンスに2シリーズ連続でTDを奪われ、
流れも持っていかれた形の立命。
この時筆者は、去年より状況は厳しいと感じた。
 
-後半のリターンは関学-
前半リードで終えた関学が先にオフェンスシリーズを始める。
これは立命に取っては苦境だった。
関学自陣23ydsからの攻撃は#1板坂へ26ydsのパスがいきなりヒットしてダウン更新。
QB#10出原に替えて#9福井のDelaware Sweepで2度目のダウン更新。
今度は#14河野を使ってQBキープ。
立命陣16ydsまで迫られると、32ydsのField Goalを#11小笠原に決められて17-7。
後半もディフェンスがアジャストしきれていない。
 
-驚異の1回生-
しかし、立命も負けてはいない。
後半最初のオフェンスシリーズ。#21岸野のランでいきなりのダウン更新をすると、
#12池野からWR#6前田へ60ydsのTDパスが炸裂!
追い上げ開始の狼煙をあげて14-17!
しかも#6前田はまだ1回生!この大一番で期待の新人が大仕事をやってくれた。
 
-最大のミス-
これで勢いに乗った立命。
続く関学の攻撃の1st and 10、#6田中のランをLB#5内田が5ydsのロスタックル!
さらに#14河野のキープを連続で止め、久々の3アンドアウトに抑えた、かに見えた。
続く4th down パント、#11小笠原の蹴ったボールはRET#23古川の前で転々と転がる。
キャッチして抑えるべきか、見送るべきか。難しい判断が求められる場面だった。
ここで#23古川は迷いながらもボールを抑える方を選択。これが裏目に出た。
#23古川はボールを確保できず、なんと関学にリカバーされ、
立命陣20ydsで攻撃権を関学に渡してしまう。
1st and 10は#59谷野の好タックルでゲインなしに抑えるが、
3rd and 7でどフリーになった#81多田へ15ydsのパスを決められると、
ピッチを受けた#28堀口に2yds走られてTD献上。
ミスをきっちりとTDに繋げられてしまう。
 
-まだまだ!-
再び10点差とされた立命。
しかしまだ第3Q途中、時間はたっぷりあった。
#11木下(典)がリターンして、自陣33ydsからの攻撃。
まずは#11木下(典)のDelaware Sweepだったが、スクリメージを越える前にスリップ。
前半の最後あたりから降っていた霧雨が、フィールドにも影響を及ぼしていた。
ところが、立命はここでスペシャルプレーを繰り出した。
#12池野が#21岸野へバックパス、そこから#21岸野がパスを投じたターゲットは#11木下(典)!
#11木下(典)はパスを受け取ると、右サイドを一気に疾走!
去年の関学戦で決まらなかったプレーが、今年は69ydsのTDパスとなって21-24!
試合はまだまだ分からない。
「これなら行ける!」筆者の中に勝利への希望が生まれていた。
 
-流れは来たか?-
続く関学の攻撃は関学陣27ydsから。ホールディングの反則で10yds罰退させるも、
#14河野のスクランブルなどわずか4プレーで立命陣侵入を許してしまう。
しかし、#14河野からパスを受けた#?を#がファンブルフォース、
そしてそれを#9塚田に替わって入った#45北仲がファンブルリカバー!
オフェンスのビッグプレーでTDを取った直後のディフェンスのビッグプレー!
これで流れは立命に来たかと思われた。
ここから#11木下(典)のQBキープで12ydsゲイン、トゥルーIからの#12池野のキープは2ydsのゲイン、
ここでSEに入った#99紀平へのパスを試みるがこれは失敗。
#6前田へのパスが通ってダウン更新となるが、ここからが良くない。
#23古川が第3Qのファンブルを引きずるかのように再びファンブル。
ここは自身でリカバーし事なきを得たが、この後#12池野の放ったパスを
関学DB#8渡辺にインターセプトされ、攻撃権を奪われる。
立命に来ていたかと思われたモメンタムだが、これで分からなくなった。
 
-痛恨の追加点-
関学インターセプトで自陣8ydsからの攻撃。
今度は関学オフェンスが止まらない。#14河野の右ロールのキープや
#9福井へのパス、さらにロールオプションで#6田中がゲインし立命陣内へ。
#10出原がロールして立命D陣を捲くると、#14河野がスクランブル、
さらに#6田中のランなどでエンドゾーンまで残り24yds。
ここで#81五百川へ左フェードのパスが決まる。
付いていた#20大黒が必死に競り合うも、#84五百川が執念でエンドゾーンへ倒れこみTD。
残り2分55秒、逆転するには厳しい時間になってしまっていた。
 
-なんとしても-
逆転するには何としてもこのドライブを完結させなければならない。
立命オフェンス陣がその執念を見せた。
まず#12池野のキープ、それから#7長谷川へ21ydsのパスが決まって敵陣へ。
さらに#88大滝へ9ydsのパス、そして再び#7長谷川へ21ydsのパス!
さらに#6前田へ19ydsのパスが決まって敵陣5yds地点へ!
1st downでスパイクし時計を止める。
そして2nd to 5、#12池野の放ったパスは#88大滝へ見事にHIT!
これで28-30。試合時間は残り1分10秒になっていた。
 
-起こるか、奇跡の逆転劇-
ここで立命は当然オンサイドキックを狙う。
しかし焦りもあったのか、蹴る前に交替違反の反則で5ydsの罰退。
そしてオンサイド。#21岸野が蹴ったボールはちょっと勢いがつきすぎたか、
大きくバウンドし関学選手に抑えられる。
と、ここでイエローフラッグ。
立命はエンクローチメントにレイトヒットの反則で20ydsの罰退を強いられる。
これで関学は立命陣25yds付近からの攻撃。
「関学がファンブルしてくれたらまだ奇跡は起こる」
誰もがそう思った。しかし同時に「普通にニーダウンするだろう」とも思ったはず。
しかし、キックオフでの立命の3つの反則が関学の作戦を惑わせたのか、
関学が元から勝負を決めに出たのかは定かではないが、
関学オフェンスはショットガン隊形で挑んできた。
そしてプレーはQB#14河野のスクランブル。
最初の奇跡は起きた。
#17黒田が#14河野に猛タックル、そしてファンブルフォース!
それを抑えたのは#9塚田!
最後まで何が起こるか本当に分からない。
立命奇跡の大逆転か、関学が凌ぎきるか。
 
試合時間は残り1分3秒。
 
-運命のドライブ-
自陣20ydsから、最後のドライブが始まった。
まずは#6前田へ11ydsのパスがヒットしてダウン更新。
残り55秒、1st and 10、#11木下(典)へのパス失敗。
2nd and 10、#7長谷川へのパスは関学#44田頭のパスインターフェアを誘ってダウン更新。
残り40秒、自陣33ydsで1st and 10、ここはパス失敗。
2nd and 10、#12池野のスクランブルも関学にフェイスマスクの反則があり5yds前進。
残り23秒、2nd and 2で#12池野は#88大滝へのパスをヒット!これで敵陣へ。
ここで立命は2回目のタイムアウト。
時間は残り15秒、エンドゾーンまで46yds、#81本多へのパスはオーバー。
残り10秒、ここで再び#88大滝へのパスがヒット!
ボールデッドになった地点は関学陣33yds。わずかに遠い。
しかし、時間は残り3秒。
立命は主将の脚に託した。
去年と同じ、サヨナラFGの光景を思い浮かべて。
距離は49yds、決して無理ではない距離だった。
ボールがスナップされる、#21岸野が渾身のキックを飛ばす
ボールが宙へ舞った瞬間、立命サイドからはため息が、関学サイドからは歓喜の声が沸きあがった。
#21岸野の蹴ったボールは方向はど真ん中だったものの、飛距離が足りなかった。
関学の選手がフィールドに踊りだす、中には倒れこむ選手もいる。
立命の選手はがっくりとうなだれて、サイドラインへ戻ってきた。
 
3年ぶりの関学戦敗戦。何とも表現しづらいこの悔しさ。
28-30。去年のような大逆転劇にはならず。
パンサーズが目指す「Over the Top」に、関学という壁が高く大きく立ちはだかった。
 
 
 
試合を
振り返って
素晴らしい試合でした。
立命の意地と、関学の勝利への執念がこれほどまでにぶつかった試合は
僕が観た中でも初めてではないでしょうか。
僕の中では2001年の試合よりも、去年の大逆転劇よりも熱くなりました。
 
関学と立命の差は、「普段以上のことができた関学」と
「普段とは違うことをしてしまい、リズムを崩した立命」だと試合直後には思いました。
#11木下(典)のQB起用、#99紀平(充)のTE起用とサプライズ感バッチリの作戦ではあったのですが、
それをスペシャルプレーに留めず、何度でも使ってしまったことに疑問を感じてしまいます。
様々な事情もありますし、春から用意してきたプレーだったのだとは思うんですが、
この秋の中で確実に上昇してきていたチームの中で、慣れないことをして自滅した感は否めません。
 
今回はオフェンスから行きますか。
オフェンスはTD4本としっかりと仕事をしたと思います。
一発TDが2本ありましたが、最初の1本目と4本目はしっかりとドライブしたもの。
まずはOL。本当にいいユニットになりました。
QB#12池野をしっかりと守りましたし、ブロックもしっかりと出来ていました。
神戸戦で見た不安の残るOLからは大きく変わっていました。
C#58坂根のスナップも本当に安定していましたし、両Gの#64大井、#75伊部もバッチリ。
#74佐々木、#50佐藤も素晴らしいブロックを打っていました。
QB#12池野は彼の持ち味を最大限に生かしていたと思います。
「PANTHERS LIVE」の前半終了後には「池野の調子も良くなさそう」とか書いてしまいましたが、
冷静にビデオを見てみると、全然そんなことはありませんでしたね。
むしろ素晴らしいクォーターバッキングを披露していました。
彼の持ち味である「丁寧な、プレーに忠実なクォーターバッキング」を実行できていました。
オフェンス全体を引っ張る、まさに司令塔になっていました。
逆に豊富だと言われたRB陣は、今回はベストパフォーマンスできず。
#22佃が欠場してしまった(1プレーもでていないはず)のに加え、
#21岸野もRBとしてプレーをしたのはほんのわずか。
結局スピードランナーが#23古川のみとなってしまったのがランプレーの幅を狭くしてしまいました。
唯一のスピードランナーとなった#23古川はそれでも奮闘。
関学#93生田を引きずりながら走ったプレーもありましたし、
持ち前のスピードで関学ディフェンス陣をすり抜けてました。
#44齋藤は彼の武器であるパワーランをしっかりと見せてくれました。
WR陣も素晴らしかった。
スーパーキャッチもかなりありましたし、イージーなキャッチミスはわずかでした。
今回最大の収穫は#6前田!彼に関しては↓の方の一回生の項で詳しく。
そしてやはり大一番で頼りになる#11木下、#7長谷川。
#11木下はスペシャルプレーでのTDは本当に凄かったですね。
一瞬で関学DBを突き放すスピード、まさに本領発揮でした。
#7長谷川はTDこそありませんでしたが、#11木下が負傷でサイドラインにいる時は
一人で関学DB陣のマークを受け、なおかつパスを取っていたのだから凄い。
#88大滝もスーパーキャッチ連発!去年から期待してましたが、ようやく開花しましたね。
#87松村(悠)と2回連続でフォルスかました時はちょっとキレかけましたけどね(苦笑)
TE#91高橋(真)は4回生で関学戦初出場だったのではないでしょうか。
あとわずかでTDというプレーでしたが、これまで努力の人だったのが、
こうやって関学戦でレシーブを決めたのは嬉しかったです。
その他オフェンスに関してですが、やはり#11木下のQB起用と
#99紀平(充)のTE起用については書かないといけませんね。
この2つは去年から考えていた起用みたいです。
#11木下は確かにスーパーアスリートで、高校3年次にQBの経験もあります。
#99紀平も去年の京大戦からTE起用が数回あっただけに、あり得る作戦でした。
前半立命リターン選択後のファーストシリーズとしては最高の作戦だったと思います。
しかし、それなら何としてでも得点に結び付けなくては。
サプライズ起用をしたのに全く効果なかったようにパントで終了。
その後も冷静に関学ディフェンス陣に対処されてしまいました。
そして、ここからが疑問。
なぜ彼らを引っ張って使ってしまったのか?
ファーストシリーズや、オフェンスシリーズが始まっての1st downだけならまだしも、
#11木下は結構頻繁に出ていました。
特に「何故?」と思ったのが、関学に1TDを取られた直後のシリーズ。
前のオフェンスシリーズでTDドライブを演出した#12池野を使わずに#11木下を起用してきました。
せっかくリズムが出てきたところでの#11木下起用は疑問。
ファーストシリーズ以降は基本的に#12池野で言って欲しかったです。
結局ここでの#11木下QB起用をしたことによって、前半のオフェンスはリズムを崩します。
冒頭の「慣れないことをやってリズムを崩した」とはここのことです。
 
続いてディフェンス。
関学QB#14河野のランを止められなかったことが最大の問題でしょうね。
積極的に行った立命ディフェンスを上手く交わされました。
そしてランに見せかけてのパス。
右へロールしてから左サイドへのパスなどは完全にやられてました。
正直あれだけ走られた後に、あんなパスを決められてはDB陣もカバーが薄くなるのは当然。
それだけに#14河野のランはどうしても早めに止めておきたかったですね。
DL陣は関学OLを押しているところもあったんですが、
今季ずっと心配していたようにQBまで届かないのがいけなかったですね。
#99紀平は関学OLのダブルチーム相手に奮闘。
DE#57岩崎はQBに届かないまでも、いいパスラッシュを見せていました。
DT#59谷野も負けてはいなかったんですよ。
しかし結局#14河野を捕まえきれずに走られ→パスを投げられの悪循環。
でもね、この日の関学QB#14河野は本当に凄まじかったです。
敵ながら#14河野のランはヤバいと感じてしまったほどです。
LB陣は熱かったですね。
#9塚田は何度もサイドラインに下がりながらも、最後までプレーを続け、
あのファンブルリカバーをしたんですから、本当に凄い執念です。
#10田中(亮)も素早い判断で動けていました。
#5内田は強烈なロスタックルを#6田中にお見舞いしてくれました。
#45北仲は#9塚田に替わっての途中出場でしたが、ナイスファンブルリカバー!
#4河村がLB的起用(?)だったと思うんですが、素晴らしい動きを見せていました。
「抜ける」と思ったプレーは大体#4河村が止めてくれていましたね。
DB陣はかなり難しかったと思います。QBランかパスか。
その揺さぶりをかけられながらのディフェンスは正直しんどかったでしょう。
そんな中CB#17黒田は非常にいい動きでした。
唯一WR#9福井に裏を突かれてTDパスを許してしまいましたが、あれは仕方なし。
それ以外はいいパスカットにナイスカバー、そして最後のファンブルフォースは見事でした。
今季最も成長した選手ではないでしょうか。
FS#32河合も見事なインターセプト!
SS#13三宅とのコンビもばっちりですし、ここは安定してました。
CB#27福島は存在感で相手を圧倒。彼のサイドにはほとんどパスが飛んでいないはず。
CB#20大黒にとっては悔しい記憶だけが残っているかもしれません。
関学WR#84五百川と競り合い、エンドゾーンに押し込まれてしまったあのプレー。
あれはもう「執念」としか言いようがありません。
 
キッキングは良かったと思います。
たった一つのミスが関学のTDに繋がってしまいましたが、
RET#23古川はそれまでも好リターンを連発していましたし、
あの時も「取れたら走れるかも」という期待を持って抑えに行ったのではないでしょうか。
それが判断を誤らせてしまいましたね。
 
あとは、反則が多すぎたのが気になりました。
直接勝敗に関わるような反則はありませんでしたが、
2回連続のフォルススタートなんて、ちょっと集中力欠いてるとしか思えませんし。
普段は滅多にしない交替違反なんて、ベンチの方も混乱していたのでしょうか。
チーム全体で空回りしていた雰囲気もあります。
 
1回生はホントこれから期待大。
#6前田は末恐ろしい存在です。#11木下(典)と交替で入りましたが、
マッチアップした関学DB#8渡辺をブチ抜きましたからね!
TDレシーブの他にも、重要な場面でのレシーブが2回。
最後は負傷退場してしまいましたが、まだまだ若い1回生の体。
来年はしっかりと体を作って、エース候補に堂々と名乗りを上げて欲しいと思います。
WRでは#81本多も何度も起用されていましたし、この2人は将来の2トップですよ。
DLの#56岡本は完全に定着してきましたね。これからも期待ですよ。
 
これでも負けてしまったのは、やはり冒頭に述べたことで全てだと思います。
関学は恐ろしいと感じるほどの執念と、素晴らしい準備で挑んできました。
そしてそれを忠実に実行し、さらに上のことをやってのけました。
1試合通してノーハドルオフェンスなんて、関学しか出来ない芸当です。
流石関学とライバル校ながら尊敬してしまいます。
 
この試合で一つ、個人的に悔いが残るのは応援でした。
僕はスタジアムの開場時間から入っていたので、
50yds付近の絶好の観戦ポジションを取ったのですが、応援団は遥か左。
しかも下の段に陣取ってしまったので、吹奏の音が全く聞こえず。
いつもなら応援団の近くで「盛り上げ役」に徹することができるレプリカ軍団も、
パンサーズの選手の父母の方々の集まりも、応援の盛り上がりには不満を感じたはず。
応援団近くではどれだけ盛り上がっていたのかは判断できませんが、
「立命スタンド全体」で応援できたとは思えません。
選手達にスタンド全体でまとまった声援を送ってやれなかった、という悔いが残ります。
対する関学はスタンド上段に陣取り(第1試合で神戸大応援団が取っていた場所を使用)、
メインスタンドにある屋根の影響もあって、吹奏の音はバッチリ。
メインスタンドにゆれるKGブルーのメガホンも、「空の翼」もかなり大きく聞こえました。
ファンとして、唯一パンサーズに力を与えてあげることのできるのが「応援・声援」です。
関学に勝つには「応援で勝つこと」も必須条件と挙げていたのにも関わらず、
今回はそれができませんでした。
「応援」という意味では立命は完敗でした。本当に悔しいです。
 
関西学生史上に残るような激闘を、立命と関学は繰り広げてくれました。
発表によると立関戦には2万5000人入ったそうです。
関西の学生スポーツで、こんなに観客が入るスポーツは他にありません。
プロスポーツを含めてもタイガース以外はこんなに入らないかもしれません。
この試合を観て、やはり関西学生リーグは最強のリーグだと再認識しましたし、
関西学生をこれからも観ていたいと思いました。
そして、これからもずっと立命館大学パンサーズを応援し続けようと思う気持ちになれました。
 
関学に負けてしまい残り2戦。
しかし、まだ甲子園への可能性がゼロになったわけではありません。
最後の最後まで「OVER THE TOP」を掲げて、全力で戦い続けましょう!
 
STARTING
MEMBER
Offence Deffence
TE 15 末原 勇輝 3 DE 97 浮田 慶順 4
LT 50 佐藤 徹弥 4 DT 59 谷野 雄治 3
LG 64 大井 哲也 4 DT 99 紀平 充則 4
C 58 坂根 賢一 3 DE 57 岩崎 健一郎 4
RG 75 伊部 勇作 4 LB 10 田中 亮佑 4
RT 74 佐々木 隆哲 3 LB 9 塚田 昌克 3
SE 7 長谷川 昌泳 4 LB 5 内田 聡 4
QB 12 池野 伸 3 CB 27 福島 和敏 4
RB 44 齋藤 壽師 4 SS 13 三宅 剛司 3
RB 23 古川 宏 4 FS 32 河合 紀明 3
FL 11 木下 典明 4 CB 20 大黒 健史 3
K 21 岸野 公彦 4 P 13 三宅 剛司 3
NEXT GAME まだ終わってない。NEVER NEVER NEVER SURRENDER!
第6節は近畿大学DEVILS戦!西京極で悪魔退治。
11月14日(日)第1試合、11:00Kick off!
そして立命の試合の後は、BIG 3 FIGHT・関京戦!京大、意地を見せろ!
REVIEW 第1回 「ホームBKCで開幕」
 
第2回 「危険信号」
 
第3回 「雨のち曇り?」
 
第4回 「決戦へ向けて」
 
第5回 「歴史に残る一戦」
 


i-modeからの試合速報です

関学戦メンバー表です
関西学生アメリカンフットボール連盟HP。
公式記録はこちらで確認して下さい。
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